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野球善哉BACK NUMBER
プロ野球ズバリ予想「山本由伸がいないオリックス…どうなる?」「ソフトバンク逆襲の条件」2強に食い込むチームはどこ?《パ・リーグ編》
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/03/15 11:01
オリックスの中嶋聡監督(左)、今季からソフトバンクを率いる小久保裕紀監督
さらに、守備の人と見られがちだった甲斐拓也の打撃も開眼しつつある。OP戦では2本塁打をマーク(3月14日現在)。元チームメイトの千賀滉大が自身のX(旧Twitter)で驚きのポストをしたほどだ。甲斐の打力が上がれば、偏りのあった打線にバランスが生まれる。
今季から就任した小久保裕紀監督はWBC(2017年)以来となるトップチームの指揮になる。WBCで取材した際に感じた小久保監督の強みは、打撃陣の調子を見極める眼力が優れているところだ。打順変更はことごとく成功したし、バランスに優れた打線を組む印象だ。そうした小久保監督の特性は今季、多くの場面で生かされるはずである。
ソフトバンクの課題は投手陣だ。オスナと4年契約を結んで、クローザーから逆算するチーム作りは見事だが、先発がどこまでゲームを作れるかが鍵になるだろう。
有原航平が開幕投手を務めることが決まっているが、期待されるのは来日6年目のカーター・スチュワート・ジュニアだ。投げるボールはいずれも一級品。懸念は、安定的にストライクをとっていく投球術だろう。「ある程度のところまで投げられるようにはなってきている」と小久保監督も期待を寄せている。先発に転向するモイネロをはじめ、石川柊太、大関友久、和田毅など脇を固める投手陣はいる。スチュワートがエース級の活躍を見せられるか。
いずれにせよ、戦力面ではオリックスとソフトバンクがパ・リーグでひとつ抜けている。
キーマン離脱でどうなる…ロッテ
ロッテと西武は、投手陣が安定しているが打線は未知数、という点で似たチーム状況といえる。
実績ある外国人選手がいるロッテの方が、打線の目算はつきそうだ。セ・リーグの本塁打タイトル経験があるソトの加入は、ポランコへの警戒が分散する効果もある。しかし、OP戦中に藤原恭大、藤岡裕大が故障離脱。個人的にはこの二人が今季のキーマンだと思っていただけに、予測が難しくなった。
先発は開幕投手の小島和哉を中心に、3本柱が決定している。先の侍ジャパンにも選出された種市篤暉、佐々木朗希がフル回転で投げ切ることができればそう連敗することはなさそうだ。