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野球善哉BACK NUMBER
プロ野球ズバリ予想「山本由伸がいないオリックス…どうなる?」「ソフトバンク逆襲の条件」2強に食い込むチームはどこ?《パ・リーグ編》
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/03/15 11:01
オリックスの中嶋聡監督(左)、今季からソフトバンクを率いる小久保裕紀監督
投手陣◯、助っ人が打てば…西武
西武は今井達也、隅田知一郎の状態がいい。今井はボール自体に申し分ないのはもちろん、人間的な成長が大きい。エースの風格が見えてきた。隅田は昨季の侍ジャパンから一気に自信を掴み、今季につなげている。平良海馬もエース格で、新球「ジャイロスライダー」にも手応えを明かしている。「現状に満足せず、武器を増やそうという姿勢は素晴らしい」と松井稼頭央監督も太鼓判。この3人は安泰だろう。3年連続の開幕投手の高橋光成は右肩の不調で出遅れている。
リリーフ陣は甲斐野央の加入が大きい。昨季の西武は絶対的なクローザーが不在で、様々な投手がリリーフを経験した。田村伊知郎、豆田泰志が台頭し、ベテランの増田達至、平井克典が並び、ルーキーの糸川亮太も即戦力として期待できる。ここに甲斐野が加わったわけで、リリーフ陣の底上げは光るものがある。
打線は新外国人のアギラーの活躍が鍵を握る。タイロン・ウッズ(元中日ほか)を彷彿とさせるスイングが持ち味でホームラン量産が期待されるが、日本の投手に対応できるか。
じつは投打に期待できる…日本ハム
育成路線を捨てた日本ハムは新庄剛志監督が3年目となって結果を残しにくるシーズン。
これまで我慢して使い続けてきた選手たちがどこまで結果を残していくかだろう。投手陣はFAで山﨑を獲得するなど、上沢直之が移籍した穴を感じさせない。一方、打線は万波中正、野村佑希ら若手と外国人がうまく絡み、期待度は高い。リーグをかき回すとしたら、日本ハムだろう。台風の目となればペナントの趨勢は大きく変化する。
我慢のシーズンか…楽天
楽天はクローザーの松井裕樹がメジャー挑戦した一方、大きな補強がないままに今季を迎えた。松井の代役として則本昂大を立てる決断は、先発陣の若返りを図る上では得策と言えるだろう。則本は代表チームでのリリーバーを務めたことがあり、目算が立つ。
打線はFAやトレードに頼りがちだったが、村林一輝、小深田大翔、小郷裕哉など若い世代が台頭したのはプラス要素だ。ここからレギュラー定着をどう図っていくかだが、今季の楽天は投打ともに我慢のシーズンを強いられそう。
いい滑り出しをすれば怖い存在になるが、これまで補強に頼っていただけにまとまりにかける部分がある。チームとして一つになれるかが鍵である。