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猛牛のささやきBACK NUMBER
背番号23の理由は?「ベッカムがめっちゃ好きなんで」オリックス吉田輝星が誓う“あの夏”からの卒業「今までの考え方じゃ甘かったから…」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/03/12 11:05
新天地で再起をかける吉田輝星
「得意料理はチャーハン」
移籍決定後のオフから、まず生活を変えた。初めての一人暮らしを始め、生活習慣や食事面に今まで以上に気を使うようになった。
「野球以外犠牲になってもしょうがないなっていう生活の仕方をできる人は、やっぱりすごい選手だと思いますし、今年のオフからそこはすごく気をつけています。こうしてトレードという形になったので、やっぱり何か直さないと、行動から変えていかないといけないなと思って。
まずは家を毎日ちゃんと掃除したり。そういうことで本当に変わると思っているので。あと、食生活はマジで変わりましたね。あまり外食はしなくなりました。トレーニングを結構やっているので、ちゃんと筋肉をつけられるように、タンパク質を多く摂りながら、バランスも考えて食べています。卵はめっちゃ食べますね」
初めての一人暮らしで自炊。苦労しているのではと思ったが、「僕、結構料理得意なんです」と、ニヤリと笑う。
「うちは共働きだったんで、昔から自分で料理を作ることは多かったから。得意料理はチャーハンなんですけど、いろんな料理に挑戦中ですね。充実していますよ」
野球も生活も充実し、表情には自身への期待感が浮かんでいた。
「納得できる投球ではない」
3月8日に行われた巨人とのオープン戦では3点リードの9回表に登板し、最速148kmのストレートを中心にコントロールよく投げ込み、三者凡退で試合を締めた。ところが試合後の吉田は不満げだった。
「まだ全然ダメ。納得できる投球ではない。変化球はよかったし、ストレートのコントロールは、だいぶラインも引けていました。でも球速が、練習では150kmとか出てきているのに、試合で(以前と)あまり変わらないというのは、どこかでロスが起きているということ。体重移動をうまくやればもっと上がる。そこは修正したいですね」
自分に期待しているからこそまだまだ満足できない。吉田輝星が再び輝く時は、きっともうすぐだ。
(前編も配信中)