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背番号23の理由は?「ベッカムがめっちゃ好きなんで」オリックス吉田輝星が誓う“あの夏”からの卒業「今までの考え方じゃ甘かったから…」

posted2024/03/12 11:05

 
背番号23の理由は?「ベッカムがめっちゃ好きなんで」オリックス吉田輝星が誓う“あの夏”からの卒業「今までの考え方じゃ甘かったから…」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

新天地で再起をかける吉田輝星

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

PROFILE

photograph by

Hideki Sugiyama

 オリックス・吉田輝星投手のインタビュー後編。「金農旋風」を巻き起こした甲子園での大フィーバーや、背番号「23」にまつわる秘話、新天地にかける思いを明かした。(全2回の後編/前編も配信中)

 “金農旋風”から6年。あの夏の主役だった吉田輝星が、新天地・オリックスで一歩を踏み出した。

 2月のキャンプから、背番号23の新しいユニフォームがしっくりなじんでいた。

「オリックスのユニフォーム、カッコイイですよね」と笑う。

背番号「23」を選んだ理由

 日本ハムでは18番だった。今回はいくつかの候補の中から23番を選んだという。その理由を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「23番のピッチャーってあまり多くないと思うので、ちゃんと活躍した時に、23番のピッチャーとして新しく印象付けられるかなと思ったのと、ベッカムがめっちゃ好きなんで。ベッカムが23番をつけていたことがあったので、『“23”カッコイイな』と思って」

 イングランドの元サッカー選手、デビッド・ベッカムの名前が出てくるとは思わなかった。

 吉田は2001年生まれで、日本でベッカムフィーバーが巻き起こった日韓ワールドカップが2002年。その後も長く活躍し2013年に現役を引退した。レアル・マドリーとロサンゼルス・ギャラクシーで背番号23をつけていた。

「サッカーゲームにも出てきたし、“ベッカムヘア”とかあったじゃないですか。そういうのもすごいカッコイイなーってずっと思っていたんですよ。プレーを見たことはなかったんですけど。たまたまNetflixでベッカムのドキュメンタリーみたいなのをやっていて、それで『あ、こういう選手だったんだ』というのを改めて知って、その直後にトレードが決まったので、それでよく覚えていたのかもしれないです」

「なんかオーラが違う」

 吉田が惹かれる“カッコよさ”とは。

「ベッカムはインスタとかでもよく見ますけど、普通に顔がカッコイイし、なんかオーラが違うというか。そういう人はプロ野球にもいると思う。すごくカッコイイなと思っていたのはイチローさん。今の大谷(翔平)さんみたいに毎日ニュースになっていましたし、『めっちゃヒット打ってる! すご!』って。雰囲気とか、たたずまいとか、なんかキリッ! としているじゃないですか。新庄(剛志)さんもカッコイイなと思っていました。華のあるプレーをしていて。口でどうこう言うよりプレーで見せるとか、言ったことを達成するとか。そういう人はカッコイイなと思いますね」

 “オーラ”や“スター性”と言うのだろうか。見る人を惹きつける何かを、吉田も持っていることは証明済みだ。

【次ページ】 「カナノウ旋風」の残像

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