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猛牛のささやきBACK NUMBER
背番号23の理由は?「ベッカムがめっちゃ好きなんで」オリックス吉田輝星が誓う“あの夏”からの卒業「今までの考え方じゃ甘かったから…」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/03/12 11:05
新天地で再起をかける吉田輝星
日本ハムでは4年目だった2022年にリリーフとして51試合に登板したが、昨年は3試合の登板に終わった。だがまだ23歳。新天地で目指す理想像を聞いた。
「僕も昔、『この人が登板する試合は見たい』と思うピッチャーがいました。なんか見ちゃうとか、野球を知らない人もみんなが知っているぐらい、成績を残して有名になって、というのは目標ではあります」
「カナノウ旋風」の残像
高校時代の吉田はそんな存在だった。だが昨年11月の入団会見で、「高校3年の甲子園での活躍が強烈で、今もそのイメージを持つファンが多いと思いますが、そのことについては」と聞かれた際、複雑な表情でこう答えた。
「うーん、あんまり嬉しくはないですね。嬉しくないっていうか、僕が活躍できていないのがよくないんですけど、ファイターズにいる時から思っていたのはやっぱり、『ファイターズの吉田』と言われるように、ということ。こうやってオリックスに来たので、『オリックスの吉田』と言われるように、しっかりやるしかないな、と思います」
「今までの考え方じゃ甘かったから」
“オリックスの吉田輝星”として、誰もが知る、誰もが見たい投手になる。
「高校レベルですけど、活躍するというのはどういうことかというのは体験しました。でもプロだとレベルも注目度も違います。野球のレベル自体が全然違うんで、活躍した時には、高校の時よりも何倍も達成感があると思いますし、注目度も。その分、練習量もとんでもなく増えると思いますけど、やっぱりそういう日々を過ごしたほうが絶対おもろいし、練習がちゃんと成果になって出てくるというのは、こういう職業ならではだと思う。
チームが変わったから、心もガラッと変えて。今までの考え方じゃ甘かったから、こうやって活躍できなくてトレードになったと思うし、そういう部分をもう一回見つめ直しながら、ちゃんと練習して、なんか、見違えるような感じになりたいなと思いますね」