「これが決勝ならかなり後悔していたと思いますね。もっと練習しないと！」

　ただ、チームとしての戦いについては、及第点を与えた。「今日のようなプレーがベースとなるべきと思います」と言いつつ、こう振り返ったのだ。

「（これまでスタメンで）出ていなかった選手の多くが起爆剤となるようなプレーを表現できていた。そうしたら、今度は途中から入ってくる選手が質の高さを示してくれました。途中から（南野）拓実くんが出てきて、（伊東）純也くんが出てきて……。ピッチに立っている選手からしたら、頼もしさしかなかった。

『俺たちは優勝するべきチームだな』とピッチに立ちながら改めて思っていましたね」

　左腕に腕章があるかどうかは関係ない。キャプテンマークをたくされて初めてリーダーになるのではない。チームのために身も心も捧げられるリーダーが結果的にキャプテンになるべきだ。

このまま終わっていいの？ 燃えなきゃダメでしょう！

　そう考えているから、堂安はインドネシア戦であのようなプレーを見せた。もちろん、ピッチ上で示したのは「堂安はリーダーシップのある選手だ」という事実である。

インドネシア戦2点目のゴール後　©Getty Images

　ただ、1つだけ疑問は残ったままだ。

　堂安にとって理想のリーダー像とはどのようなものなのか？

　インドネシア戦後の取材エリア。最初に姿を現した堂安は、黒山の人だかりの輪が解けたタイミングで、ついにその理想のリーダー像を言葉にした。

「みんなから『かっこいい』と思ってもらえるような選手です。それは顔のことではないです。生き様であったり……男としてね。だから、思っていたんですよ。『俺たちはこのまま終わっていいの？ この状況に燃えないとダメでしょう！』とね」

　そのリーダーシップの一端は、GK鈴木彩艶とのやり取りにも見て取れた――。

＜第2回につづく＞