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「W杯で出来たことを…アカンやろ!」堂安律25歳がアジア杯で激白「このまま終わっていいの? 燃えないとダメでしょ!」理想のリーダー像
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byJFA/AFLO
posted2024/01/29 11:05
日本代表アジア杯トレーニングの合間の1枚。堂安律の笑顔からは、チームを牽引する意思を感じさせる
「W杯で出来ていたことをなぜ、アジアカップでやらないのか? それではアカンやろ!」
その理由はこうだ。
「もちろん、アジアカップではボールを持ったときの戦術が、より、必要になってくるというのはわかります。だけど、それ以前にW杯で通用した日本の良さというのがあるわけです。『しつこい守備』であったり、『奪ってからの素早いカウンター』であったりね」
〈しつこい守備〉を体現したのは、誰の目にも明らかだった。
この試合でも自慢の“無限プレス”は健在で、自身でボールを奪い切るシーンもあれば、右サイドバックの毎熊晟矢と連動して相手ボールを自分たちのものにするシーンもあった。
「自分が2度追い、3度追いして、チームに活を入れられるのならいくらでも走りますよ」
冨安いわく「律は絶対にサボらない」
堂安の守備の〈しつこさ〉については、目利きのお墨付きと確固たるデータがある。
カタールW杯で2ゴールを決めた堂安は、所属するドイツのフライブルクに戻ると手荒い祝福を受けた。ただ、この前のシーズンにドイツの老舗『キッカー』誌によって最優秀監督に選ばれたシュトライヒ監督から絶賛されたのは、W杯優勝経験国からあげた2つのゴールではなかった。
評価されたのは、守備での働きについてだった。
チームプレーを求めるシュトライヒらしいといえばそれまでだが、そこには根拠がある。カタールW杯での堂安は「90分あたりのプレッシング回数」で、32カ国の全選手の中で2位を記録したからだ。
「奪ってからの素早いカウンター」も自身が表現した。
インドネシア戦の2点目を思い出してほしい。相手のパスを冨安健洋がマイボールにしてから11.7秒のうちに決まった。このゴールをアシストしたのが堂安であることは多くの人が記憶しているはずだ。
ただ、冨安のパスを受けて起点となったのもまた堂安だった。だから冨安がたたえたのは、マイボールになる前の堂安の守備だった。
「(堂安)律は攻撃のクオリティ(ばかり)があると見られがちですけど、(守備を)絶対にサボらない。守備の時に正しい位置をとっているからです」
「俺たちは優勝するべきチームだな」と
最初の2試合で出た課題を克服した姿を見せつけてやる。そんな気概を誰よりも体現したのが堂安だった。
だから、自分には厳しかった。
「今日のプレーでは活躍したというほどではないです。『これでチームの勝利に貢献できなかったら、俺はセンスないわ』と考えていたし、『俺ならできるだろうな』とも考えていたけど……」
何故なら、あの試合で3度あった決定機を外してしまったからだ。ただ、その反省と悔しさを表現するとき、思わず口から出たのがこの試合にかける想いだった。