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「ザイオンのミスは失点に結びついた。でも…」“日本代表に詳しすぎブラジル人記者”が斬るアジア杯「ミトマが戻ればさらに強力だ」
posted2024/01/27 11:02
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Masashi Hara/Getty Images
「6ゴールが飛びかった試合で、日本がベトナムを下す」(1月14日、スポーツ電子メディア『フラッシュスコア』)
「イラクが日本を驚かせ、2−1で勝利。サムライ・ブルーの連勝記録を止める」(1月19日、スポーツ電子メディア『トリヴェーラ』)
「上田の複数得点で、日本がラウンド16へ」(1月24日、スポーツ電子メディア『グローボ・エスポルチ』)
日本代表のアジアカップにおけるグループステージ(GS)3試合についてのブラジルメディアの見出しである。
ブラジルでは、この大会の目ぼしい試合がピックアップされてテレビ中継されている。そして、日本だけがここまで全試合、中継がある。それは開幕前、「アジアでは飛び抜けており、絶対的な優勝候補」(テレビ解説者)という高い評価を受けていたからだろう。
2018年と2022年W杯でいずれも16強入りし、とりわけ2022年大会でW杯優勝経験のあるドイツとスペインを倒して首位でGSを勝ち上がったことはブラジルでも非常に高く評価された。また、2022年W杯後も好調を維持しており、昨年9月に敵地でドイツに4−1と大勝した試合を含めて9連勝中(アジアカップ開幕前まで)であることもよく知られていた。
“日本に詳しすぎブラジル人記者”に聞いてみた
スポーツ電子メディア『グローボ・エスポルチ』で「日本のフットボール」というコーナーを持ち、ブラジルメディアで最も日本のフットボールに詳しいチアゴ・ボンテンポ記者に話を聞いた。
――インドネシア戦の評価は?
「ベトナムに苦戦し、イラクに敗れた後だったけれど、選手は落ち着いてプレーしていたね。センターフォワード(CF)の上田綺世が全得点にからみ、左サイドバック(SB)の中山雄太が故障から復帰し、中盤で堂安律と久保建英がテクニックと創造性を発揮するなど、収穫の多い試合だった」
――試合開始早々、堂安からのパスを受けた上田がペナルティエリア内で倒れた。VARの末、日本にPKが与えられました。ブラジルのテレビ解説者は、「自分が主審ならPKは取らない」と言っていましたが……。
「私もそう思う。インドネシアのセンターバック(CBジョルディ・アマト)の4番が両手で上田を抱え込んだのは確かだけど、あのように倒れるほどの強さだったのかどうか……。上田は、PKを期待して倒れ込んだと思う。でも、CFとしては当然のプレー。あの場所であのような不用意なプレーをした4番の失態だろう。ともあれ、日本にとっては幸運な判定だった」
あのプレーがゴールにならないのは理不尽だ(笑)。
――30分、インドネシアに日本の右サイドを突破されてクロスを許し、ゴールのニアサイドで中山が辛うじてクリアした場面がありました。