明治大・浅利太門（186cm84kg・右投右打・興国高）は、スッキリしたマウンド上の立ち姿がまるで常廣羽也斗（青山学院大→広島1位）だ。常廣投手より頭ひとつ長身だから、ユニフォーム姿のシルエットが一段と映える。

明治大・浅利太門（186cm84kg・右投右打・興国高）　©︎Sankei Shimbun

　紅白戦・第1試合の先発でちょっと気負ったか、高低が甘くなるところを捕まったが、打者のアゴを上げられるだけの速球の角度と、タテの変化はツーシームにフォークか。

　何より、明治大の指導陣とバットマンたちがこぞって推す「速球の質の高さ」。その球質は、来季プロへ進む先輩投手以上の声も少なくない逸材だ。唯一、足りないのは、実戦での修羅場の数。エース格で投げまくるはずの来季の「実戦」での浅利太門に注目だ。

　法政大・篠木健太郎（177cm75kg・右投左打・木更津総合高）は、背格好から下村海翔（青山学院大→阪神1位）かとも思ったが、本質でいえば、岩井俊介（名城大→ソフトバンク2位）だ。

「車体」は国産車かもしれないが、搭載しているエンジンは飛び抜けて優秀な外国車並み。ちょっと力を入れて投げれば、すぐ150キロ台が出せて、カーブにフォークのタテの変化だ。

　岩井投手のフォークは、落差の大きな独特の沈みだが、篠木投手は変化点が打者に近い高速フォーク。ストライクゾーンからホームベースに落とし、空振りを奪う。

法政大・篠木健太郎（177cm75kg・右投左打・木更津総合高）　©︎Hideki Sugiyama

阪神ドラ1・下村の本質を受け継ぐのは…？

　下村投手の本質を受け継いでいるとしたら、むしろ国学院大・坂口翔颯（178cm77kg・右投右打・報徳学園高）のほうかもしれない。

　180cmあっても、大型の部類に入らない今の学生球界では標準的な体格だが、145キロの速球はミットに突き刺さるような強烈さで空振りを奪え、カーブでタイミングを外し、フォークで三振にきってとる。淡々と投げているようで激しく内燃し、ピンチのリリーフも堂々の投球できり抜けてみせる。

　下村投手も並みいる強打者相手に一歩も退かない投手だったが、隠し持ったファイティングスピリットなら、坂口投手もなんら負けていない。間違いなく、マウンドに上げて頼りになる熱投派だ。

　日本体育大・寺西成騎（186cm85kg・右投右打・星稜高）は、ユニフォーム姿のシルエットから端正な投球フォーム、丹念に低めを突いていくピッチングまで、草加勝（亜細亜大→中日1位）がピッタリ重なって見える。

　恵まれた体躯があるのに、無理に強く投げようとし過ぎない出力加減の程の良さ。だから、ボールが低めで生きる。

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