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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
“超当たり年”ドラフトだった今年に続く?「大学ジャパン候補合宿」で見つけた《次世代の逸材たち》「広島ドラ1・常廣に似ているのは…」
posted2023/12/10 17:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Sankei Shimbun
「12月の松山」は、私の中で、すっかり恒例になった。
アマチュア野球の公式戦が11月の半ば頃に幕を閉じ、高校野球の練習試合も11月いっぱいでほぼ終了。「今年も終わるなぁ」と気持ちも下を向いてくるあたりで、「まだあるよ」と前を向かせてくれるのが、毎年12月初めに松山・坊っちゃんスタジアムで行われる「大学日本代表選考合宿」なのだ。
来年の国際試合に備えて、「学生ジャパン」のメンバーを選ぶための、つまりは「オーディション」である。
翌年6月にもう一度選考合宿が行われて、そこで正式メンバーが決まるので、12月の合宿は「第1次選考」という意味合いで行われる。
全国の大学リーグから推薦された44選手が、初冬の松山に集合して、「我こそは!」と、その渾身の力を込めたプレーで代表の椅子を争う。
3日間の合宿だが、やはりその緊張が佳境に達するのは、2日目のオール紅白戦の日であろう。
参加したすべての選手が出場する6イニングの紅白戦をいっぺんに3試合。この18イニングに目を凝らしていれば、来季の学生野球の「鳥瞰図」をほぼ一望できることになる。スカウトの方たちも、ドラフト指名選手の入団発表やらなんやらで忙しい中、参集することになる。
代表候補合宿で見た「ドラフト候補」たちの活躍
現在の3年生に、2年生、1年生まで加わって、総勢44選手。
ここでは、来季ドラフト対象になる「現3年生」に絞って、話を進めたい。
過去有数の人材豊富な世代だった「現4年生」たち。とりわけ投手陣は、今秋のドラフトで8人が1位指名されるという快挙を記録したが、来秋「2024ドラフト」でも、おそらく今年に近い指名結果になりそうな、大学選手たちの充実ぶりだった。
やはり、来季も「大学投手」だ。今年のドラフト1位ないしは上位に指名された投手たちに、そのまま重なる快腕・剛腕たちがいたから、胸が高鳴った。
まずは右腕から始めよう。