ノーヒットでも1点奪われるほどしたたかなチームばかりの「東都」で7完封をマークした草加投手。それも、本格的に登板し始めた昨秋からの3シーズンでの7完封なのだから、間違いなく「快挙」だ。寺西投手、見習うべきはまさに「そこ」だ。

来季も“逸材多数”のサウスポーたち

　現3年生には、左腕の逸材も多い。

　すでに、関西学生リーグでは無敵の快投を続ける関西大・金丸夢斗（177cm77kg・左投左打・神港橘高）。コンスタントに140キロ台後半をマークする速球と、なんでも投げられる変化球。何より、速球で入っても、変化球で入っても、ストライク先行でサッとカウントを追い込める高精度の「攻めるピッチング」。今秋のドラフトでも1位確実、来秋なら1位指名重複必至の快腕サウスポーだ。

　背格好、マウンド上の支配感、テークバックにじゎ～っと間のある球持ちの良さ。重なって仕方ないのが前田悠伍（大阪桐蔭高→ソフトバンク1位）だ。高校生を引き合いに出すのは、ここでは「反則」かもしれないが、実力はその域をはるかに越えているし、失礼にはならないはず。「特例」としてご勘弁を。

　来季の学生球界で、関西大・金丸夢斗投手と並んで、代表的サウスポーのトップ2に挙げられそうな環太平洋大・徳山一翔（177cm87kg・左投左打・鳴門渦潮高）。

写真中央が環太平洋大・徳山一翔（177cm87kg・左投左打・鳴門渦潮高）　©︎JIJI PRESS

　すでに、昨年から全国の大舞台での実績をあげている。145キロ前後のクロスファイアーの角度と球持ちの良さが、打者のミートポイントを差し込める。見ている者の胸を揺さぶるのは、強敵相手のピンチの場面にも臆せず向かっていけるキバを持っていることだ。

　武内夏暉（国学院大→西武1位）がそうだった。学生投手でも「エースの矜持」が伝わってくるピンチでのマウンドさばき。後継者になれるほどの、徳山一翔の肝っ玉だ。

　その「学生左腕トップ2」に食い込んできそうな気配十分なのが、富士大・佐藤柳之介（179cm85kg・左投左打・東陵高）だ。

　今回の「松山」ではちょっと気負ってしまったか、投球ゾーンが高く抜け気味で本領発揮はならなかったが、本来の回転数抜群の速球の球質と、変化球のデパートのような多彩な緩急は、これまで数回の全国大会で、常にコンスタントな快投を続けている「事実」が証明している。

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