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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「もし僕がいま中日で現役選手だったら…」元中日監督・谷繁元信に聞く、“2年連続最下位”立浪中日と岡田阪神は何が違う?「来季優勝は“ある”」
text by
谷繁元信Motonobu Tanishige
photograph bySankei Shimbun
posted2023/10/25 11:02
18年ぶりに優勝を果たした阪神・岡田彰布監督。一方、立浪和義監督率いる中日は2年連続最下位だった
どれだけ下馬評が低くても、選手が急激に力をつけることもあるし、新戦力がハマることもある。こればかりはやってみないとわからないんですよ。近年はヤクルトだって2年連続の最下位から優勝していますから。選手たちがこの悔しさを糧にどれくらい伸びていけるか。そこにすべてがかかっていると思います。
仮に僕がいまの中日で現役の選手だったとしたら、歯を食いしばって、勝つために必要なことはなんでもやります。自分の力が足りていないなら、とにかく練習するしかない。僕の場合はキャッチャーなので、技術的なことだけではなく、データや戦術も役に立つと思ったものは可能なかぎり取り入れてみるでしょうね。
今季の中日は首脳陣やフロントに対して批判的な報道もいろいろとありましたけど、結局のところ、負けているからメディアにも叩かれるわけです。チームの状態がどうであっても、勝っていればそんな話は出てこない。プロの世界において、勝ち負けというのはそれくらい絶対的なものです。
ドラフトや移籍による戦力の整備ももちろん必要ですが、個々の選手が「最下位」という現実を受け入れて、どれくらい自分に矢印を向けて努力できるか。このオフから来季にかけては、そこにも注目していきたいと思います。
(構成:NumberWeb編集部)
<続く> ※後編では谷繁さんが注目する今季ドラフト候補7名を語っています。
谷繁元信(たにしげもとのぶ)
1970年12月21日、広島県生まれ。江の川高校(島根)卒業後、1989年にドラフト1位で横浜大洋入団。1998年にリーグ優勝し、日本一に。2002年FAで中日に移籍し、リーグ優勝4回、日本一1回。2014年から選手兼監督、2016年は専任監督。通算3021試合は現在もプロ野球記録。現在は野球評論家・解説者として活躍