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「もし僕がいま中日で現役選手だったら…」元中日監督・谷繁元信に聞く、“2年連続最下位”立浪中日と岡田阪神は何が違う?「来季優勝は“ある”」 

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谷繁元信

谷繁元信Motonobu Tanishige

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photograph bySankei Shimbun

posted2023/10/25 11:02

「もし僕がいま中日で現役選手だったら…」元中日監督・谷繁元信に聞く、“2年連続最下位”立浪中日と岡田阪神は何が違う?「来季優勝は“ある”」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

18年ぶりに優勝を果たした阪神・岡田彰布監督。一方、立浪和義監督率いる中日は2年連続最下位だった

 まずは投手陣について。終わったあとのシーズン防御率だけを見ればそれほど悪くないように見えるかもしれませんが、防御率2点台の柳裕也(4勝11敗)にしても高橋宏斗(7勝11敗)にしても、勝ち星がついてきていない。

 防御率というのは難しいもので、中日の場合は投高打低のバンテリンドームでの数字と他の球場での成績がどう違うのか、冷静に見比べてみる必要があります。当然ですが、点が入りにくいのは味方にとっても同じです。球場のおかげで防御率の見栄えがよくても、イコール「勝てる投手」というわけではない。

 加えて長いリーグ戦で勝率を上げていくためには、自分たちの戦力を分析して「チームとしてどう勝ち切るのか」というプランを立てなければいけません。1点を守り切る野球を目指すのか、あるいは2、3点取られても返していけるような野球を目指すのか。直近2年の中日の場合は、“どっちつかず”だった印象を受けます。ホーム球場の特性を踏まえて投手力や守備力で勝負するにせよ、打撃力や機動力を上げるにせよ、チームとしての方向性が曖昧で、見えてこないというのは苦しいところです。

 シーズン成績は阪神の555得点(424失点)に対して、中日は390得点(498失点)ですか。野球は点を取らなければ勝てないスポーツですし、先発投手陣がこれだけ負け越しているわけですから、この結果では“貧打”と見なされるのは仕方のないことです。ただ、点が取れないことも問題ですが、はっきり言って投手陣も含めてすべてのレベルを上げないと、勝てるチームにはならない。2年連続の最下位という成績は、それほど重たい現実です。

「もし僕がいま中日で現役だったら…」

 では、中日が来季Aクラスに入る可能性や、優勝する可能性はあるのか。そう聞かれたら、僕は「ある」と答えます。

【次ページ】 「もし僕がいま中日で現役だったら…」

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