古橋のようなタイプはパスの出し手との間ですり合わせの作業が特に必要になるのですが、19分の決定機を見れば、「古橋をもっと生かさなければ」となるはず。久保とセットで使えれば彼の良さが引き出せる、という期待感を抱かせました。

　後半に前田大然が左サイドからクロスを入れて、古橋のシュートが右ポストを叩いた場面もありました。彼らはセルティックのチームメイトです。前田は「あそこにボールを入れれば、古橋はGKとCBの間に入ってくる」ということが分かっていて、古橋はそのとおりに入り込んできた。古橋のプレーを分かっているからこそ生まれた決定機で、イメージの共有が図れれば古橋は日本の武器になるはずです。

　久保に話を戻すと、「彼の適正ポジションはトップ下か右サイドか」との論点があります。トルコ戦は久保がトップ下で堂安律が右サイドでしたが、ポジションチェンジをしながらどちらかが外で幅を取ったり、内側へ入ったりしていました。同時に出場する選手のタイプによって変わってきますが、トップ下で起用したほうがメリットは多いと言えそうです。

　久保と堂安との関連で言えば、右サイドバックの毎熊は好印象を残しました。ふたりがどこに立っているのかを見ながら、オーバーラップやインナーラップをして、内側のレーンを使ったりもしていました。

セレッソ大阪の毎熊晟矢は代表初招集・初出場で好プレーを披露した　©Getty Images

　毎熊自身はトルコ戦が国際Aマッチデビュー戦で、この試合は初スタメンの選手、国際Aマッチ出場がひとケタの選手が多く含まれるメンバー構成でした。急造チームと言っていいものです。そのなかで、実にスムーズに周囲と連携できていました。ドイツ戦で2得点に絡んだ菅原由勢が先行する右サイドバックのポジション争いに、名乗りを上げたと言っていい出来だったのではないでしょうか。

少し気になった田中碧のコンディション

　好印象を残した選手が多いなかで、個人的に少し気になったのは田中碧です。川崎フロンターレでともにプレーし、彼の足跡をずっと見てきた僕からすると、全体的に「いつもと少し違う」印象でした。

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