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中田翔18歳に激怒「ファンいなくなったらどうするんだ?」千賀滉大らスター“覚醒前”を熱血指導…あの伝説的ロッテ選手・水上善雄の今

posted2023/06/17 11:01

 
中田翔18歳に激怒「ファンいなくなったらどうするんだ?」千賀滉大らスター“覚醒前”を熱血指導…あの伝説的ロッテ選手・水上善雄の今<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

中田翔、千賀滉大らスター選手たちの“覚醒前”を当時指導した水上善雄に語ってもらった

text by

岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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Takuya Sugiyama

 かつてロッテで活躍した「元プロ野球選手」水上善雄、65歳。現役引退後は「築地市場でマグロを並べる仕事」「コインパーキングの集金」を経て、2007年に球界に復帰。翌年、日本ハム二軍監督に就任する。新人だった中田翔ら教え子のエピソード、そして現在をNumberWebのインタビューで語ってもらった。(全5回の5回目/#1#2#3#4へ)※敬称略。名前や肩書きなどは当時 

◆◆◆

 水上善雄が二軍監督になった2008年、日本ハムに「大物新人」が入団する。大阪桐蔭で高校通算87本塁打を記録した中田翔である。

 自主トレで報道陣に1カ月の小遣いを聞かれた中田は、「30万円だけですよ。何も買えないですよ」と奔放な発言で話題をさらった。水上は微笑ましく捉えていたが、3月に入った頃にカミナリを落とした。練習を終えた中田が面倒そうな表情をしてファンのサインを断り、ロッカーに消えていったのだ。

「『おまえさ、これからプロで何年もやっていくんでしょ? ファンがいなくなったらどうするんだ?』と怒りました。中田は『なんだこいつ?』と言いたそうな顔で見てましたよ。懇々と説教して、『明日からちゃんとサインしろよ』と言ったら、憮然とした表情で『はい』と呟いて帰っていった。でも、次の日きちっとサインしていた。うわ、かわいいヤツだなと思って、これから何があっても絶対に守ろうという気持ちになりました」

 首脳陣に反抗した態度を見せる――。現役時代、鬼軍曹にも球団上層部にも歯向かった水上は自分と同じ匂いを感じ取った。中田には野球のみならず、挨拶など社会人としての基本も徹底させた。2年間みっちり鍛え、水上は二軍監督を退任。中田は徐々に一軍で頭角を現し始め、3度も打点王を獲得した。

「中田の場合は今後ですよ。次はもうダメです」

 2年前、衝撃のニュースが流れた。2021年8月4日、中田は同僚に暴力行為を働き、11日に無期限謹慎処分を受ける。しかし、9日後に巨人に電撃トレードされ、謹慎は解除に。すぐに一軍登録されて、スタメン出場した。この処遇に大批判が巻き起こった。水上は一般的な視点とは異なる角度から、この問題を見ていた。

「最も目立つ球団で晒し者になったでしょ? 中田にとって一番の罰だなと感じました。いくら日本ハムで反省して、1年間出場停止になっても、どうってことなかったと思うんです。ジャイアンツに入ったおかげで、毎日とんでもない数の人たちが注目するし、たくさんのマスコミに追われる。少しでもいい加減な態度を取ったら、すぐに批判される。まあでもね、謹慎がすぐに解けたら、暴力を受けた側は嫌ですよね。だから、被害者が『中田が晒し者にされてる』と思ってくれていたらいいなって」

 日本ハムの二軍監督退任後も中田と連絡を取り続けていた水上は、騒動時もメールのやり取りをしている。

【次ページ】 ソフトバンクへ…千賀滉大が泣いていた

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