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「記事に出されそう…」シャイな三笘薫26歳が“初めて”クリア夫人について語った日…約8分間のインタビューで三笘は4回も現地記者を笑わせた
posted2023/05/23 20:25
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images
晴れやかな表情で、ブライトンの三笘薫は本拠地アメックス・スタジアムの場内を一周した。
5月21日に行われたプレミアリーグのサウサンプトン戦。来季降格がすでに決まっている最下位のサウサンプトンを相手に3−1で快勝し、ブライトンは欧州カップ戦の出場権が手に入る7位以上を確定させた。欧州参戦はクラブ史上初の快挙であり、ブライトンのスタジアムは「ヨーロッパに行くぞ」の大合唱でお祭り騒ぎとなった。
歴史的偉業を成し遂げた一戦が終わると、スタジアムはセレモニーへと移った。日程上はホーム最終戦だったため、今回のサウサンプトン戦後に毎年恒例のセレモニーが行われたのだ。
シャイな三笘が語った「すごい支えになってる」
イベントが始まると、三笘は日の丸を手にクリア夫人を連れて登場した。ゆっくりと場内を回りながら、三笘夫妻はサポーターの声援に応えていた。時折笑みを浮かべる2人の姿に、心から楽しんでいる様子が伝わってきた。
セレモニーを終えた三笘が取材エリアにやってくると、ある記者が尋ねた。「夫人と場内を一周した様子が楽しそうだった。そういうところも、三笘選手のプレーが充実している理由では」。三笘は「これを言うとちょっと記事に出されそうですけど」と頬を緩めて記者団を笑わせた後、素直に認めた。
「その通りですね。すごい支えになってる。確実に、(夫人が)いないと僕もここには来れてないと思います」
三笘は、ピッチ内のことやプレーに関する質問にはいつも真摯に説明してくれる。だが、プライベートについてはあまり語ってこなかった。記者団も気を使って問いかけることは少なかったが、この時ばかりは、三笘は夫人へ感謝の言葉を口にした。
シャイな三笘らしく「記事に出されそう」と言って、はにかんだ。ただ、感謝の気持ちを伝えたのは、それほどまで夫人の存在が大きかったからだろう。体調管理やコンディション維持に人一倍、気を使っている三笘。異国の地で長いシーズンを戦っていく上で、精神面における心の拠り所がクリア夫人だったのは、セレモニーでの仲睦まじい姿や、「支えになっている」という言葉からも十分伝わってきた。
「うーん…今日も入んないなって」
ではブライトンのクラブ史上、最高位となる7位以上を確定させたサウサンプトン戦を振り返りたい。4-2-3-1の左MFとして先発した三笘は、開始早々に決定的なチャンスを掴んだ。ところが、シュートはわずかに枠の外へそれてしまう。その13分後、再び決定機を迎えるも、今度はシュートが左ポストに嫌われた。