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「もし彼がいなければ…」三笘薫25歳が本音で語った、ブライトンで信頼する“10歳上のベテラン選手”「(ケガ離脱中でも)頼りになる相談役」
posted2023/05/17 19:05
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
AFLO
「エバートンに敗れたのは精神的に堪えた。この4、5日は最低だった。だがアーセナル戦で、我々は情熱と戦う姿勢を示すことができた──」
5月14日に行われたアーセナル戦で、ブライトンが3−0の勝利を収めると、ロベルト・デゼルビ監督はこう力強く語った。ブライトンは優勝を争うアーセナルを敵地で撃破し、順位表で8位から6位に浮上。来季の欧州リーグ出場が視界に入ってきた。
ただデゼルビ監督が「最低だった」とつぶやいたように、前節のエバートン戦を1−5で落としたのはあまりに痛かった。目標である欧州カップ戦出場を成し遂げるには、降格圏19位(※当時)のエバートンとの一戦は勝利が不可欠であった。だが相手のカウンターで失点を重ね、ホームでまさかの大敗を喫したのである。
嫌な流れを変える意味においても、アーセナル戦の勝利は非常に大きかったと、試合後の三笘薫(25歳)は力を込めた。
「僕らも負けられない戦いをやっていますし、気持ちの部分で相手を上回った。難しいアウェイ戦でしたけど、うまくボールを繋ぎながら自分たちのサッカーができたと思います。
(エバートンに敗れて)気合いも入っていた。僕らも後がない。勝たないといけない状況だったのでこの勝利は大きいです」
三笘が絶賛「彼は僕にたくさんの選択肢を与えてくれる」
三笘は定位置の左サイドでなく、4−2−3−1の右サイドで先発した。前節エバートン戦で右サイドMFのソリー・マーチが負傷し、三笘はアーセナル戦の2日前からその右サイドで練習していたという。
だが立ち上がりから思うようにパスが入らず、攻撃に絡めない展開が続く。しかし前半35分頃に定位置の左サイドにポジションを移したことで突然、三笘は輝き始めた。早速、相手SBのベン・ホワイトを抜き去り、クロスボールでチャンスを演出。三笘は自身のプレーを次のように振り返った。
「左サイドでは、一発目からやりやすい感じが出たと思います。ただ、右サイドだから良いところもありますし、左サイドだからこそ良いところもある。そういうところを出そうと思っていました。特に今日はオフザボールのところがうまくいったかなと思います」
三笘は、サイドで対峙したSBのベン・ホワイトを最後まで翻弄し続けたが、ひとつポイントになったのが「オフザボール」の動きだった。三笘は言葉を続ける。