欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
今季9点目! 久保建英が凄まじい「バルサ撃破ドリブル、ブスケッツ退団・優勝セレモニーが同時に」カメラマンが見た“美しいカンプノウの夜”
posted2023/05/24 11:00
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
5月20日、リーガ35節、FCバルセロナ対レアル・ソシエダ戦の撮影に向かった。
優勝したバルサにソシエダが浴びせた“冷や水”
冷や水を浴びせられた。
バルサメンバー、スタッフ、そしてこの日スタジアムに詰めかけた8万8000人の観客がそう感じていた。
試合後のセレモニーに姿を現したガビの表情、そしてピッチで勝利を喜び祝うソシエダイレブンの表情が全てを物語っていた。
前節アウェイの地で22-23シーズン、ラ・リーガの優勝を決めたのはバルサだった。
今日の試合は、チャンピオンの凱旋であり、試合後には優勝セレモニーが行われることも決まっていた。試合に勝ち、景気良くトロフィーのお披露目をしたかった。
しかも相手のソシエダは、30年以上カンプノウで勝利を挙げることができておらずお得意様だ。怪我のため長期離脱していたデンベレが遂に先発に復帰することができた試合でもあった。
ただ久保建英所属のソシエダも、バルサの優勝に花を添えるためにバルセロナまで来たわけではなかった。来季CL出場圏内4位を維持しているが、5位ビジャレアルとの差はわずか5ポイント。今節含め残る4節全てが決戦となる。チャンピオンに一泡吹かせるために、そしてCLへ近づくために乗り込んできていた。
怪我でシルバを欠くソシエダだったが、その先発メンバーに久保の名はなかった。
中2日で次節を迎える過密日程の中でのローテーション、そしてバルサに対しては、現実的には勝ちを目指すのではなく、確実に1ポイントでも持ち帰るというイマノル監督の意図が覗く起用だった。
選手入場時、2列になって向き合うソシエダイレブンの間をバルサ選手が通過する。優勝を決めたチームに対し、相手チームが祝福する。リーガの恒例となっている。
久保やオヤルサバルを温存する中での先制ゴール
現地21時キックオフ、バルサのポゼッション優位でゲームが動き出す。ただ、ソシエダも前線より積極的にプレスに出る姿勢が見て取れた。
すると5分、最終ラインよりボールを持ち上がろうとするバルサCBクンデに対して――ややファール気味ではあったが――セルロートがボールカットに成功。そのままボールを持ち上がり、フリーで駆け上がってきたメリノにラストパス。メリノがダイレクトで冷静にシュートを放ち、ソシエダにとって貴重な先制点を奪うことに成功した。
久保、オヤルサバルなどを温存した中での開始早々の先制点に、ベンチからも選手が飛び出してきてのセレブレーションとなった。