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「記事に出されそう…」シャイな三笘薫26歳が“初めて”クリア夫人について語った日…約8分間のインタビューで三笘は4回も現地記者を笑わせた
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2023/05/23 20:25
サウサンプトンに勝利した試合後、クリア夫人とセレモニーに出席した三笘薫。前日、5月20日に26歳の誕生日を迎えた
「チームの勝利に貢献したので、ホッとはしてますけど。それは良いですけど、 うーん……まあもっと(結果を)稼いでもおかしくないシーンがたくさんあったので、自分のメンタリティのところも改善していかないといけないなと思います。久々に数字(=結果)がついたんで、こっから2試合でもっとつけたいです」
1アシストを記録した三笘は、3−1の勝利に貢献した。充実のプレーを見せ、後半43分の交代時にはサポーターにスタンディングオベーションで送り出された。
じつはリバプールから誘われていたファーガソン
そのサウサンプトン戦で、英紙デーリー・メールと地元ニュースサイトのサセックス・ライブから最高評価を与えられたのが、2ゴールを叩き出したファーガソンだ。まだ表情にあどけなさが残る18歳の若者だが、ブライトンの実質的なエース・ストライカーである。間違いなく、欧州行きを決めた原動力の一人だ。
彼の経歴は非常に興味深い。アイルランド北東部のベッティズタウンという田舎町の生まれ。父親は、DFとしてイングランドの下部リーグやアイルランドリーグを渡り歩いた元サッカー選手である。
少年時代はアイルランドの首都ダブリンにあるボヘミアンFCで技を磨き、わずか14歳で1軍デビューを飾る。すぐに頭角を現し、当時16歳の2021年1月にブライトンへ籍を移した。
その際、ブライトンと共に熱心に勧誘していたのがユルゲン・クロップ監督率いるリバプールだった。マンチェスター・ユナイテッドやエバートン、セルティックも獲得に動いていたが、「若手選手に出場チャンスを最も多く与えているから」との理由で、ファーガソンは英国南部ブライトンへの移籍を決めたという。ビッグクラブが獲得に動いていた理由は、18歳にして公式戦10ゴールという今季の活躍ぶりからもよく分かる。
“運転免許のテストに落ちた”ファーガソン
三笘は、ファーガソンがトップチームに定着する前から「この選手はポテンシャルがすごい」と肌で感じていた。
「オールラウンドなプレーヤーで、 欠点の少ない選手だと思います。味方に合わせるところもあるし、欲を出しすぎないところもある。(利他性の高い)チームプレーヤーで、その中で能力も高い。確実に、このチームに必要だと思いますね。(記者:ファーガソンのメンタリティ、人柄は?)メンタリティ的にも落ち着いています。要求するところはしますけど、 しっかりと自分に集中してるところもある。上に行くメンタリティは持っていると思いますね」