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「へへっ、お前が東大? いけるわけねえじゃん」偏差値45“非エリート”野球部ピッチャーが東大に合格したスゴい勉強法「先生や同級生にもバカにされ…」 

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沼澤典史

沼澤典史Norifumi Numazawa

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posted2023/05/16 17:01

「へへっ、お前が東大? いけるわけねえじゃん」偏差値45“非エリート”野球部ピッチャーが東大に合格したスゴい勉強法「先生や同級生にもバカにされ…」<Number Web>

偏差値45から東大に逆転合格した佐藤有為。“非エリート”の私立高野球部ピッチャーはなぜ東大を目指したのか?

 当時、MAX130キロの大型サウスポー、打っては4番というだけあって、文京区では名の知れた選手だったという。しかし、佐藤は自身の技術についてこう謙遜する。

「自信は全然なかったです。周りの中学校のチームがあまりうまくないこともありましたし、テクニックではなく体が大きいというだけで通用している感がありました。強豪の日大豊山などに比べたら、俺ら下手くそだなあと思ってました。そもそも、中学の部活は専用グラウンドではなく、テニスコート3面ぶんほどの広さの校庭でやっていましたし、練習もゆるめで、きつくて疲れたと思ったことも1、2回ほど。体の大きさとポテンシャルでプレーしていました」

なぜ“偏差値45”から東大を目指したのか?

 一方、学業のほうもポテンシャルでこなしていた。

「中学では学年120人中、常に10位以内でした。テスト前に少し課題をやるくらいで、中学時代はあんまり勉強した記憶はありません。周りの人たちはテスト前となると1日10時間くらい勉強していたようですが、僕は1~2時間ほど。勉強していないのにこれだけ成績がいいなんて、自分は頭がいいんじゃないかと、正直、天狗になっていました。冷静になれば、しょせんは低いところのトップというだけなんですけどね」

 佐藤は、そのまま京華高校へ進学。そして、高校1年生の夏に東大を意識し始める。きっかけは、既出記事「『慶應は…本当に嫌いですね』東大野球部のスカウトが語る“スポーツ推薦も内部進学もない”東大の努力」などでも登場した、前東大野球部監督の浜田一志との出会いだった。

「僕の母親が浜田さんと同じ土佐高校の出身だったんです。なにかの機会で母が浜田さんと席を同じくし、東大野球部についてアレコレ聞いたそうです。その話を母から聞かされました。また、ちょうど同じ時期にテレビのドキュメンタリー番組で東大野球部の特集があり、さらに2カ月後に東大野球部の高校生練習会があった。このような偶然が3つ重なり、俺は東大に行く、という気持ちになっていましたね」

 希望する高校生が参加でき、本郷の東大グラウンドで行われた練習会では、実際に浜田と会い、「期待しているぞ」と声をかけられたという。その後も母親を通して浜田はメールで激励の言葉を送っており、それが佐藤の励みになったという。

【次ページ】 「へへっ」「東大なんていけるわけねえじゃん」

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