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「へへっ、お前が東大? いけるわけねえじゃん」偏差値45“非エリート”野球部ピッチャーが東大に合格したスゴい勉強法「先生や同級生にもバカにされ…」
posted2023/05/16 17:01
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
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「中学受験のとき、偏差値45だった」
東京都出身の佐藤有為は、既出記事「『開成高野球部1000年に1人の逸材』偏差値70超・東大合格者全国1位の開成高から東大野球部で主力になった“スゴい天才”」で紹介した、開成出身の選手のような中学から受験を勝ち抜いた学業エリートとは、歩んできた道が大きく異なる。
彼の出身は私立京華中高。中学受験に失敗した佐藤は、いわゆる滑り止めとして合格していた京華中学へ進学した。京華中の偏差値は43(四谷大塚より。以下同)と、決して高いとは言えない。ちなみに、開成中学の偏差値は71だ。
「中学受験で目指していたのは、本郷(同63)や世田谷学園(同61)。中学受験模試での自分の偏差値は45だったので、志望校には遠く及びませんでした。まず合格できないだろうけど、ひょっとしたら……くらいの気持ちで受験しましたが、いざ落ちると大きな挫折感がありましたね」
本郷や世田谷学園、開成などの学業の上位層が自分の上にはたくさんいるという現実を突きつけられ、小学生ながら、佐藤は無力感を覚えたという。
「合格していた京華中に行くか、地元の公立中学に行くかという選択の中で、京華中を選びました。そのときは、意識の中に東大はまったくなく、とりあえず大学に行ければいいかな、あわよくば父親の出身校である立教以上に行けたらいいなという思いでした」
「下手くそだなあ…」テニスコート3面分しかない校庭
佐藤は小学1年生のときに、地元の軟式野球のチームに入った。6年間で公式戦1勝の弱小チームだったが、ピッチャーとファーストを兼任する中心選手として活躍。中学生になると学校の部活と地元のクラブチーム両方に所属した。
「クラブチームでの活動は日曜だけでしたが、ファーストとピッチャーで出場し、品川地区で優勝したことがあります。部活は、平日と土曜日の活動で、文京区3位が最高成績でした。中3春の大会の1回戦では、ピッチャーとして24個のアウトのうち21個を三振で取ったことがあります(7回制の延長戦の試合)」