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「プロ野球監督の1日ってどんな流れ?」前ロッテ監督・井口資仁が明かす“リアルな仕事内容”「9時半に家を出て…」「オーダーを考えて会議に」
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byTatsuo Harada
posted2023/04/29 11:00
昨季まで千葉ロッテマリーンズを率いた井口資仁がNumber Webのインタビューに応じた。知られざる「一軍監督の仕事」とは
スタメンはどうやって決まる?
コーチの任命やトレードの合意と違い、現場では監督が最終決定権を持つ。戦略ミーティングでは、スターティングメンバーという“人事”を決めていく。
「自分の中でオーダーを考えて、会議に臨みます。戦略コーチ、バッティングコーチ、ヘッドコーチと話し合いながら、まず守備のメンバーから決める。その後、打順を組み合わせていきます。基本的にコーチの意見を優先しました。やっぱり、選手を一番近くで見てますからね」
練習を終えた選手は打撃、バッテリーの各ミーティングに出席。井口監督は試合前、全体ミーティングに参加。戦いが始まると、采配の仕事が待っている。投手の起用に関しては、自身で決めていたのか。
「ローテーションも継投も、基本的に投手コーチに任せてましたね。僕の判断は相手が左の代打を送ってきた時に先に左を出すか、予定していた右を出すかくらい。打順に合わせて肩を作らせているので、突然『今代えよう』とは言わなかったです。いきなり想定と違う場面で出されると、ピッチャーは投げづらいですからね」
帰宅後は…「プロ野球ニュースをつける時も」
ナイターが終わって夜11時頃に帰宅すると、お酒を飲みながら1時間ほど試合のポイントをVTRでチェックしていたという。
「ベンチでは横からしか見えないので、正面からの映像を確認します。打者はどんな球を捉えられなかったのか。三振ならファーストストライク、セカンドストライクをどう打ち損じたのか。投手は捕手の構えた場所から、ボールが少しズレて打たれたのか。配球はどうだったのか。良いシーンは振り返らないですね。『プロ野球ニュース』(CS・フジテレビONE)をつける時もあります。他のチームの試合は見ないですけど、自分たちのチームがどう編集されているのかなと」
球団から渡されるVTRには解説や実況は入っていないが、番組では解説者が論評し、時には選手起用について苦言も呈される。どう受け止めていたのか。