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「プロ野球監督の1日ってどんな流れ?」前ロッテ監督・井口資仁が明かす“リアルな仕事内容”「9時半に家を出て…」「オーダーを考えて会議に」
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byTatsuo Harada
posted2023/04/29 11:00
昨季まで千葉ロッテマリーンズを率いた井口資仁がNumber Webのインタビューに応じた。知られざる「一軍監督の仕事」とは
「プロは負ければ何かを言われる。これは、仕方ないですからね。評論家は結果を見て話す。監督は何が起こるかを考えた上で、最善の手を打つ。過去の分析と未来の想定という真逆の作業なので、全然気にはしなかったですね」
昨今は評論家のみならず、SNSでファンが思いの丈を自由に書き込めるようにもなった。
「たまに見ますけど、『こういう考えの人もいるんだな』と思いながら、ちょっと楽しんでます。どうしたら、その発想になるんだろうなとか(笑)。野球に関して何か言われても、なんとも思わないですね」
「監督の仕事は気を遣うことぐらい(笑)」
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深夜1時には寝床に入る。在任中はストレスから睡眠導入剤を飲む指揮官もいると聞く。井口にも眠れない夜はあったのか。
「まあ、お酒飲んでますからね(笑)。寝ようと思ったらパッと寝れました。現役の時からオンとオフを切り替えられるほうでしたね。負けが込むと、なかなか寝れない日もありましたけど、体に支障をきたすことはなかったですね。睡眠は5~6時間ですけど、ショートスリーパーなので問題ありませんでした」
監督業には重労働のイメージが付きまとうが、井口はそのような感想を持っていない。
「別に大変ではなかったですね。選手、スタッフ約150名のチームをどうやってまとめていくか。その楽しさがありました。苦しいといえば苦しいですけど、ずっと責任感を持ちながら務めていました。まあ、監督の仕事は気を遣うことぐらいですよ(笑)」
井口の口ぶりと醸し出す雰囲気には、無理して繕っている様子が感じられない。まさに泰然自若といった物腰である。だからこそ、「2試合連続完全試合」を目前に控えた佐々木朗希を交代させるという大決断ができたのではないか。
〈つづく〉