サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「内心、腐っていた。試合後にカップ麺を食べたり…」堂安律が後悔する“甘すぎな17~18歳の暗黒時代”「敵は自分なんだ、と今になって」
text by
堂安律Ritsu Doan
photograph byJ.LEAGUE
posted2023/04/23 11:01
2015年、当時高校2年生ながらプロデビューを飾った当時の堂安律
「健太さん、すみません。守備を求められるのはもう無理です。右のウイングバックとして途中から出るより、FWやサイドハーフとしてベンチのほうがいい。そこで勝負させてください」。そう言った瞬間「俺、終わったかもしれない。監督にそんなことを言ってしまって……」と血の気が引いた。
律。おまえのいちばんの特徴はなにかわかっているか?
中4日で迎えたJ1第8節、大宮アルディージャ戦。なぜか俺はトップ下でスタメンだった。紅白戦でも説明は受けなかったけど、前日に健太さんからこんなことを言われた。
「いいか、律。おまえのいちばんの特徴はなにかわかっているか?」
「ドリブルですか?」
「違うよ。ドリブルがうまいヤツはもっといるよ」
「え、フィジカルですか?」
「いや、おまえ、ちっちゃいだろ。違うよ。律はシュートがうまいんだよ。だから、どんどん打て、明日」
その試合で俺はJ1初ゴールを含む2ゴールを決めた。スタメンフル出場でチームも6-0と大勝。特に1点目はペナルティーエリアの少し外、右ななめ45度から左足を振り抜いたゴールで、堂安律を象徴するような一発だった。健太さんの言葉のおかげで自分の強みを再認識できたし、積極的にシュートを打つことができた。
日本代表やヨーロッパで経験を重ねれば重ねるほど、健太さんの言っていたシュートの意識、守備の意識がいかに大切かがわかってきた。
<#3につづく>