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「内心、腐っていた。試合後にカップ麺を食べたり…」堂安律が後悔する“甘すぎな17~18歳の暗黒時代”「敵は自分なんだ、と今になって」 

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堂安律

堂安律Ritsu Doan

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photograph byJ.LEAGUE

posted2023/04/23 11:01

「内心、腐っていた。試合後にカップ麺を食べたり…」堂安律が後悔する“甘すぎな17~18歳の暗黒時代”「敵は自分なんだ、と今になって」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

2015年、当時高校2年生ながらプロデビューを飾った当時の堂安律

 プロだから技術的なことはあまり言われなかったけど、「とにかく仕掛けろ」と言われていた。大人になると効率ばかり求めるけど、「数的不利でもいいから仕掛けろ」「そういうところでもいける選手じゃないと、トップチームで活躍できひんから」と言われたのをよく覚えている。

 あと、「2手先、3手先を常に読め」「試合が終わったら、体よりも脳が疲れたと思わないと」「自分の能力が最大限発揮できるのはどの局面か。そこまでどう持っていくか」ということもよく言われていた。俺は我が強いけど柔軟だから、そういうアドバイスはしっかりと実践してきた。今、ヨーロッパの所属クラブでも、日本代表でも、そのときの経験がものすごく生きている。

サッカー選手として成り上がる覚悟が足りなかった

 U-23時代には、食生活をまったく気にかけていなかったけど、今はものすごく後悔している。寮から練習場に向かう途中でコンビニのチキンを食べたり、試合が終わってからカップラーメンを食べたりしていた。プロ意識が足りていなかった。心のどこかにまだ「練習させられている」という意識があったんだと思う。練習はしていたけど、ただ、していただけ。「サッカー選手として成り上がってやる」という覚悟が足りていなかった。敵は自分なんだ、と今になって思う。

〈J1初ゴール。健太さんの言葉で気がついた、俺のストロングポイント〉

 U-23では、ノリさんから攻撃面のことで常に発破をかけられてきた。でも、トップチームでは、健太さんからプレスのかけ方や立ち位置など、とにかく守備のことを言われた。攻撃面のことを言われた記憶がほとんどない。2017年になるとトップチームでの出場機会も増えていった。攻撃的にいくときのカードとして、俺は健太さんに使ってもらえるようになった。

健太さん、すみません。守備を求められるのは無理です

 2017年4月16日、J1第7節。アウェイでのセレッソ大阪とのダービーで、俺は0-0で迎えた後半、右ウイングバックとして投入された。直後に先制点が決まったけど、その後、俺の軽い守備から(杉本)健勇くんに突破されて同点に追いつかれた。さらに、俺の右サイドを崩されて失点。ロスタイムに追いついたけど、俺の守備が原因で試合を壊してしまった。

 翌日、プールでリカバリーしているときに健太さんに呼び出された。「どうだった? 昨日は」と言われて、俺は守備のことにはいっさい触ふれず、攻撃面の課題を口にした。俺は悪くないですよ、というニュアンスを含ませながら……。

 すると、健太さんから、「違う。おまえのところで2点やられたんだぞ」ときつく言われてしまった。俺は自分の気持ちをそのまま口にした。

【次ページ】 律。おまえのいちばんの特徴はなにかわかっているか?

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