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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「ウチでは獲れません」古橋亨梧は何度も涙した…中央大恩師が明かす“プロ入り秘話”、獲得したJ2監督「本当にどこも獲ろうとしなかったんですか?」
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byMATSUO.K/AFLO SPORT
posted2023/04/09 11:07
J2のFC岐阜からプロ生活をスタートさせた古橋。そのプロ入りまでの道のりは平坦なものではなかった
イニエスタとのホットラインでゴール量産
ここから先の古橋の飛躍は、多くの人の知るところだ。プロ1年目から岐阜の主力に定着すると、リーグ戦42試合に出場して6得点。その活躍が評価され、翌2018年シーズン途中にJ1のヴィッセル神戸へ移籍。ここでもアンドレス・イニエスタとのホットラインでゴールを量産し、2019年11月には日本代表デビュー。“ウサギ”だった同級生・南野拓実との共演も果たした。2021年夏にはセルティック(スコットランド)へ。欧州1年目からリーグの年間ベストイレブンに選出され、今季もエースストライカーとしてサポーターから絶大な支持を得ている。
しかし、カタールW杯メンバー入りはならなかった。セルティックで見せている圧倒的な得点力とは打って変わり、日本代表では通算16試合に出場してわずか3得点。2021年6月のタジキスタン戦を最後にゴールから遠ざかっていたことで、カタール行きの切符を逃した。
恩師2人も懸念する“代表での沈黙問題”
この“代表での沈黙問題”は、W杯メンバー発表前から、2人の恩師も懸念していた。その要因を、内野はこう分析している。
「亨梧の動き出しを見てくれる選手がいるかどうか。この差がすごく大きいんです。高校時代はみんな亨梧を見ていましたし、岐阜には風間宏矢くん、神戸にはイニエスタがいた。逆に大学3~4年の頃は、そういう選手がいなかった。どうすれば亨梧の能力を活かせるか。アンジェ・ポステコグルー(セルティック監督)はそれを理解していたからこそ、横浜F・マリノスの監督時代から、亨梧を欲しがっていたと聞いています」
その上で、内野は古橋が日本代表でも輝くためのキーマンを挙げていた。
「鎌田大地くん。彼ならイニエスタに近い感覚で亨梧にパスを出せると思いますし、彼がトップ下にいればボールも収まるから、亨梧は裏抜けに集中できる。トップ下・鎌田、1トップ・亨梧の形を見たいんですけどね」
日本代表での古橋と鎌田の“共演時間”は極めて短い。古橋の通算16キャップの中で、2人が同時出場したのは、以下の159分間のみだ。
2021年6月7日・タジキスタン戦=後半の45分間
2021年6月11日・セルビア戦=前半の45分間
2021年9月2日・オマーン戦=後半開始からの25分間
2021年10月7日・サウジアラビア戦=59分~73分の14分間
2022年6月2日・パラグアイ戦=82分からの8分間
2022年6月6日・ブラジル戦=後半開始~67分の22分間