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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「なめてんのか、お前!」古橋亨梧が興国高監督に怒鳴られた日…欧州で大ブレーク、スピードスターの覚醒秘話「あいつは孫悟空みたいなんです」
posted2023/04/09 11:06
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Getty Images
嗚呼、4カ月前の熱狂は何処へやら。第2次・森保ジャパンの船出となった3月24日のウルグアイ戦(△1−1)、3月28日のコロンビア戦(●1-2)は、どちらもため息まじりの沈黙とともに終わった。
より攻撃的なスタイルに生まれ変わった姿をアピールすべく、パス、パス、パス。後方から何本も何本もショートパスをつなぐものの、敵の間や背後へ通る場面は僅かで、一向に前進できない。なんとか最前線のFWまでボールを運んでも、シュートはゴールマウスの外へ飛んで行く。そんな光景を見ながら、こう思ってしまった。
古橋亨梧がいれば、なぁ……。
スピードスターを形作った高校・大学時代
名門セルティックで、今季ここまで公式戦28ゴール。スコットランドリーグの得点ランクでもトップを走っている。リーグ自体のレベルを疑問視する声はあるけれど、“欧州で一番点を取る日本人”がカタールW杯に続き、今回も日本代表メンバーから外れたことは意外だった。
高校と大学で成長を見守ってきた2人の恩師いわく、古橋は“雑草”の男である。挫折を味わえば味わうほど逞しさを増してきた。拙攻を繰り返す新生・日本代表の姿を見ながら、目の前にいない雑草ストライカーの覚醒秘話を思い出していた。(全2回の第1回/次回は#2へ)
“界王拳は使いません”みたいな感じでした
興国高校サッカー部の内野智章監督は、古橋の人間性をこう表現する。
「あいつはね、『ドラゴンボール』の孫悟空みたいなんですよ。普段は心優しきサイヤ人。でも、スイッチが入った途端に戦闘民族の血が騒いでスーパーサイヤ人になるような。そのスイッチが、なかなか入らないんですけどね。高校の頃は、僕らからボロカスに言われるまで“界王拳は使いません”みたいな感じでした(笑)」