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「ウチでは獲れません」古橋亨梧は何度も涙した…中央大恩師が明かす“プロ入り秘話”、獲得したJ2監督「本当にどこも獲ろうとしなかったんですか?」 

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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photograph byMATSUO.K/AFLO SPORT

posted2023/04/09 11:07

「ウチでは獲れません」古橋亨梧は何度も涙した…中央大恩師が明かす“プロ入り秘話”、獲得したJ2監督「本当にどこも獲ろうとしなかったんですか?」<Number Web> photograph by MATSUO.K/AFLO SPORT

J2のFC岐阜からプロ生活をスタートさせた古橋。そのプロ入りまでの道のりは平坦なものではなかった

幻の中央大・古橋ー鎌田コンビ

 内野だけでなく、佐藤も古橋と鎌田によるホットライン形成を願っていた。実はこの2学年違いの2人は、中大でチームメイトになる可能性もあった。佐藤が明かす。

「鎌田くんは東山高校時代から、運動量こそ少ないけどうまかった。だから、うちの練習に呼んだことがあるんです。帰りは僕が新横浜駅まで送ってね。本人も『中大、おもしろかったです』と言ってくれたけど、どうしてもプロ願望が強かった。サガン鳥栖から声がかかったことで、入学は実現しませんでした」

今は自分の力で、いつでもスーパーサイヤ人になれる

 カタールW杯に続き、3月の2試合でも、鎌田から相手の背後に走る古橋へのスルーパスを見ることはできなかった。再び日本代表から落選した古橋は大きな失望感を味わったはずだ。ただし、まだ28歳。次回のW杯も十分狙える年齢である。しかも、まだ進化の途中であると、内野は証言する。

「セルティックであれだけの経験を積んでいますからね。昔の孫悟空のように“クリリンのことかーーっ!”って、怒らないとスーパーサイヤ人になれないような時代とは違う。今は自分の力で、いつでもスーパーサイヤ人になれる。それぐらいタフになっていると思いますよ」

 挫折や絶望を味わうたびに、戦闘力を増して壁を突き破ってきた。そんな成長過程を聞いたからこそ、ついつい夢想してしまう。6月、日本代表の最前線で大暴れするスーパーサイヤ人の姿を。

<「覚醒」編もあわせてお読みください>

#1から読む
「なめてんのか、お前!」古橋亨梧が興国高監督に怒鳴られた日…欧州で大ブレーク、スピードスターの覚醒秘話「あいつは孫悟空みたいなんです」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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