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「巨人ダントツ人気時代」はいつ終わった? 甲子園球児“好きなプロ野球選手”を調べてわかった…「FA制度」と「メジャー行き」の本当の影響
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byKYODO
posted2023/04/07 11:02
1996年オフ、西武から巨人に移籍した清原和博。左は当時監督の長嶋茂雄
1994年版「好きな野球選手」ベスト25
次に、大谷翔平の生誕した1994年の「好きなプロ野球選手」ベスト25を見てみよう。前年、プロ野球界は長嶋茂雄監督の復帰、息子・一茂の移籍、“ゴジラ”と呼ばれる星稜高校・松井秀喜をドラフトで獲得した巨人に注目が集まった。しかし、ID野球を標榜した野村克也監督のヤクルトが2年連続でセ・リーグを制覇。日本シリーズでは常勝軍団・西武を4勝3敗で振り切って、15年ぶりの日本一に輝いていた。この翌春のランキングはこうなる。
1位:41票 清原和博(西武・一塁手)
2位タイ:30票 立浪和義(中日・二塁手)
2位タイ:30票 前田智徳(広島・外野手)
4位:29票 池山隆寛(ヤクルト・遊撃手)
5位:28票 古田敦也(ヤクルト・捕手)
6位:19票 秋山幸二(ダイエー・外野手)
7位:17票 新庄剛志(阪神・外野手)
8位:16票 落合博満(巨人・一塁手)
9位:15票 川相昌弘(巨人・遊撃手)
10位:14票 松井秀喜(巨人・外野手)
11位タイ:10票 桑田真澄(巨人・投手)
11位タイ:10票 今中慎二(中日・投手)
13位タイ:9票 篠塚和典(巨人・二塁手)
13位タイ:9票 佐々木誠(西武・外野手)
13位タイ:9票 緒方耕一(巨人・外野手)
16位タイ:8票 辻発彦(西武・二塁手)
16位タイ:8票 飯田哲也(ヤクルト・外野手)
18位タイ:6票 石毛宏典(西武・三塁手)
18位タイ:6票 野茂英雄(近鉄・投手)
20位タイ:5票 大石大二郎(近鉄・二塁手)、吉村禎章(巨人・外野手)、渡辺久信(西武・投手)、高津臣吾(ヤクルト・投手)、亀山努(阪神・外野手)、久慈照嘉(阪神・遊撃手)、平井正史(オリックス・投手)、荒木大輔(ヤクルト・投手)
目立つ「PL出身選手」の人気
3年連続で優勝を逃し、1980年代の主力がベテランに差し掛かっていた巨人はトップ5に誰も入らなかった。代わりに、日本一ヤクルトの池山隆寛、古田敦也が4位と5位に。野村監督の勧めもあって、オフに多数のメディアに出演した影響もあったかもしれない。
1位は清原和博。当時の高校生が物心ついた頃にPL学園で全国制覇し、西武入団後は8年間で7度のリーグ優勝、6度の日本一に貢献。群を抜く「甲子園スター」で「優勝経験」を持つ清原は、大村三郎(PL学園)や嘉㔟敏弘(北陽)などセンバツ出場32校中23校の選手から票を得た。