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侍ジャパンで絶好調! 近藤健介に期待する”大事な仕事”とは…大谷翔平を”最も知る男”が明かす大谷の素顔「変わらず生意気なガキです」
posted2023/03/06 06:00
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Nanae Suzuki
侍ジャパンの目玉であるメジャー組の1人、鈴木誠也外野手(シカゴ・カブス)の出場辞退で、ぽっかりと空いた外野の穴。そこにぴたりとはまったのは近藤健介外野手(ソフトバンク)だった。
鈴木の離脱で、誰を代替選手として補強するのか。一報が入った時点から、さまざまな候補の名前が上がっていた。代表メンバーが発表された当初から、外野手、特にセンターを守れる選手が不足しているのでは、という指摘は多くあった。そこで本来ならば代表選考でも最後まで名前が上がっていた塩見泰隆外野手(ヤクルト)の招集となるのが順当だったが、その塩見がケガで戦線離脱中。そのため近本光司外野手(阪神)や西川龍馬外野手(広島)らの名前が“有力候補”としてスポーツ紙の紙面を賑わせた。
しかし最終的に栗山英樹監督が選択したのは、内外野をこなせるユーティリティープレーヤーの牧原大成内野手(ソフトバンク)だったのである。
「身体がしっかりしている。いまいるメンバーに誰が加わったときに、一番幅が広くて、一番勝ちやすい形になるか。能力が高い選手ですべての面で信頼している」
指揮官は招集理由をこう説明した。
牧原選考の背景にはもちろん2月25日に行われた日本代表とソフトバンクの壮行試合で、栗山監督自身が実際の動きを確認できていたというのがあっただろう。
この試合で牧原は「1番・センター」で先発。初回に二塁内野安打で出塁すると、6回の第3打席でも右翼に二塁打を放って2安打の活躍を見せた。もともとは内野手登録だが、捕手以外の全ポジションをこなせて、守備能力のレベルも高い。足もあって、そういう意味ではただでさえ少ない外野手の枠を、鈴木の抜けた穴を、ピンポイントで埋めようというより、チームを全面的にバックアップできるカードの選択だった。
近藤健介は「控えの1番手」だったが…
そして栗山監督が牧原大成というカードを選択できたもう1つの理由が、キャンプから見せていた近藤の仕上がりの良さだったのである。