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侍ジャパンで絶好調! 近藤健介に期待する”大事な仕事”とは…大谷翔平を”最も知る男”が明かす大谷の素顔「変わらず生意気なガキです」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2023/03/06 06:00
侍ジャパンの壮行試合4戦すべてで安打を放った近藤健介。鈴木誠也辞退の穴を埋める存在として注目される
左翼に吉田正尚外野手(ボストン・レッドソックス)、センターにラーズ・ヌートバー外野手(セントルイス・カージナルス)で右翼に鈴木というのがチーム結成直後から言われていた外野の予想布陣だった。
この時点での近藤の位置付けは、東京五輪のときと同じように控えの1番手で、代打の切り札というポジションだったはずだ。
だが、宮崎での事前キャンプでなかなか状態が上がらない他の選手をよそに、順調な仕上がりを見せて、25日のソフトバンク戦では5回のタイムリーを含む2打数2安打1四球の1打点。26日の同カードでも2打数2安打1四球と2試合で打率10割と気を吐いている。
元々ハイレベルな打撃技術を持ち、勝負強く、本塁打ではなく二塁打が多い中距離ヒッター。選球眼の良さには定評があり2019年には4割2分2厘、20年には4割6分5厘で最高出塁率を獲得した。この6年間は常に出塁率4割以上を記録する“出塁率お化け”とも言われるハイエンドプレーヤーだ。
その持ち味を最も知る指導者の1人が日本ハムで共に戦ってきた栗山監督だったわけである。
だからこそ現状の近藤ならば、本大会でも外野の定位置を与えることができると決断。ならばムリに鈴木の交代選手は外野のレギュラー候補にこだわるのではなく、「チームの幅」を広げられるユーティリティープレーヤーの牧原という選択に至ったと考えられる。
近藤の守備位置は?
3月2日のライブBPでは中堅と右翼の守備位置に入った近藤だったが、ヌートバーも合流した4日の試合前の守備練習ではライトに入り、ヌートバーがセンターを守った。ヌートバーの肩と守備範囲の広さ、近藤のセンターとライトの経験値を重ね合わせた結果、ヌートバーの右翼での肩の強さよりも、センターでの守備範囲の広さと近藤が守り慣れている右翼という配置を選択した形だ。