中村　ミスをしないというか、選択を間違わない。この思考がどこから来ているのかと考えたときにたどり着いたのが、ポルトガルでは日常的にずっとサッカーがテレビで流れているということです。日本では子供たちがサッカーを見る機会はあまりない。ここでは成長する過程で、たとえば6歳からずっと日常的にサッカーを見ていると、なんとなく良い選択と悪い選択が分かってくるのかなと。その経験値がピッチに出るのではと思います。日本だとそういう経験値があまりないので。

――日本と異なるGK文化の国で過ごす中で、選択の仕方も変わりましたか？

ポルティモネンセは1914年創設　©Daisuke Nakashima

中村　そこは変わってないとは思っています。でも分からないかな……。自分の中でGKにとって最も重要なことは、もちろん失点しないこと。それが大前提にある中で何を選択するのか。いろんなGKがいる中でタイプ分けをすると、自分はオーソドックスな、GKらしいGKだと思っています。近年はGKに求められる役割も増えていて、それはいろんなデータにも出ている。サッカーが移り変わっていくなか、時代の変化にも適応しなければならない。合わせて変化していかないと淘汰されてしまうので。

――時代が進み多くのタイプのGKがいる中で、自身のGKとしての強みはどこにあると考えている？

中村　ボールがゴールに飛んできたときにそれを防げるかどうか。最終的なところに自信を持っていますし、そこが一番追求しているところです。シュートストップや1対1です。逆に伸ばしたい部分は、ラインのディフェンスとスペースのディフェンスがある中で、スペースのディフェンスに関しては、前に出るプレーはもっといろんな見方をしていいのかなと。

＜続く＞

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