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“忘れられたGK”中村航輔28歳は今…現地で聞いた“ポルトガルで2年間、何を考えてきたのか?”「1年半のベンチ生活から正GKになれた理由」
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/02/28 11:00
2月27日に28歳になった中村航輔。2021年1月ポルトガル・ポルティモネンセSCに完全移籍。今季9月4日のファマリカン(ホーム)戦でスタメン出場。そこからリーグ戦18試合連続スタメン出場(2月末現在)
中村 ポルティマンは特に夏は素晴らしいです。海が直ぐそばにあるし、夏はすぐそこのビーチで泳いでます。冬は閉まる店も多いので基本は家にいますね。ひとりですし、自分がシェフですね。スーパーで食材を買って。日本ではそこまではしていなかった。油ものをあまりとらないくらいで、ストレスを感じずに食べるようにしています。昨晩は、鶏むね肉をフライパンで調理しながら、別のフライパンで玉ねぎとほうれん草を炒めて。サーモンもよく食べますが、昨日はレバーでした。レバーは週に1度。クラブが所有しているホテルで昼食が出るのでそこに選手たちと行ったり、自宅の近くのレストランにもたまに行きます。ここは魚介が美味しいですし、ピカーニャ(日本語ではイチボ)など肉も好きですね。
――ポルティモネンセ加入以来、1年半控えという立場でした。今季はファマリカン戦(昨年9月4日)で先発でプレー。そこからずっと定位置をキープし、マン・オブ・ザ・マッチにも選ばれています(リーグ戦18試合連続スタメン、2月末現在)。今季のパフォーマンスをどう評価していますか?
中村 悪くないな、と。ただ、なかなか勝ち点を重ねられていないので、手放しで喜ぶことはできない。結果が伴ってくれば。ただ、自分を客観視するのは難しいですよね。すごくいいと思っていると、悪い点が見つかった時に改善しにくい。だから、悪くない、というどっちつかずの評価をしています。マン・オブ・ザ・マッチなどの外からの評価については、自分は気にならないですね。
――日本人GKが欧州クラブで先発の座を勝ち取ることは他のどのポジションよりも難しい。なぜこのタイミングで先発をつかめたと考えていますか。
中村 試合に出られなかった期間が1シーズン半ありました。その期間に、練習で自分が見せたものが、ここでいい形になったのかなと思います。当然ながらJリーグとポルトガルリーグは違って、「そもそも競技が違う」などいろんな表現がありますが、僕なりの言い方をすると、ポルトガルリーグはやってはいけないプレーをしないようにする、Jリーグはいいプレーをしようとする、ということですね。先発で出るようになってまだ半年ですし、自分の中で固まっていない部分もありますが、現時点ではそう考えています。
「日本では子供たちがサッカーを見る機会が少ない」
――GKの視点が、できるだけミスをしない方向を向いていると。