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カタールW杯で“忘れられたGK”中村航輔28歳の告白…日本代表への消えない思い「あの日、ポルトガルで言われた“ジャパンはすごいな!”」
posted2023/02/28 11:02
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
Daisuke Nakashima
1年半のベンチ生活から、今季ポルトガル1部で正GKの座を勝ち取った中村航輔のインタビュー。2018年ロシアW杯で「次は期待している」と次世代を担う存在と思われた中村。結果的にカタールには行けなかったが、日本代表へどんな思いを持っているのだろうか?【全3回の3回目/#1、#2へ】
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ロッカーで言われた「ジャパンはすごいな!」
――3月には2026年ワールドカップを目指す新生日本代表がスタートを切ります。日本代表への思いは今も持ち続けている?
中村航輔(以下、中村) もちろん持ち続けています。ただ、現状では日本代表を語れる立場にいません。それははっきり自分で思っていますし、そう言い切ってもいいのかなと思います。2021年から選ばれていないというのもありますし、いまは正直本当に分からない。もちろん代表でプレーしたいとは思いますし、その思いの強さをどうやって自分が表現していくかですね。クラブで続けていくだけです。
――カタールワールドカップは見ていましたか?
中村 もちろん見てましたし、日本代表は素晴らしかったと思います。僕は外の立場でしたが、あのときの日本代表が抱えていたものははかり知れないくらい大きかったと思う。監督、選手、スタッフ、協会関係者、サポーターが一体となって、すごかったですね本当に。ポルティモネンセのロッカールームでも言われましたよ。「ジャパンはすごいな!」と。日本人であることが誇らしかったです。
「三笘選手のニュースを見て、すごいなと」
――大会後、三笘薫や久保建英のように、所属クラブでさらなる活躍をみせる選手も出てきています。
中村 三笘選手のブライトンでの連続ゴールのニュースを見て、すごいなと。左サイドから中に入って巻いて決めたシュートがありましたが、あれはGKから見たら止めにくい(※1月21日レスター戦)。あのボールに対しての抵抗の仕方はいくつかあって、それに対してどういう選択をするのか。実際、あの短時間で判断なんかできないので、いかに体をうまく動かすかです。他のGK(ウェールズ代表のウォード)が食らった失点ですけど、あのGKはいつかの僕であって、未来の僕でもある。そういう風に経験値をひろっていけたらいいですね。
――ワールドカップのドイツ戦では権田修一選手がマン・オブ・ザ・マッチに選出されるなど、GKの活躍も目立ちました。