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ダルビッシュ36歳、WBC合宿で佐々木朗希らに”ダルビッシュ教室”開講!「エグいっす!」湯浅京己、山本由伸も熱視線を送るスゴい存在感
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/02/18 18:48
WBC日本代表の合宿にメジャー組として唯一、初日から参加したダルビッシュ有。スター揃いの侍ジャパンの中でも、ひときわ存在感を放っていた
あのときのイチローとかぶるダルビッシュの姿
第2回大会の混乱の反省から、入場規制があったために、2月17日のキャンプ初日の入場者数は1万8541人と絞られていた。それでも内野スタンドはほぼ満員に膨れ上がり、集まったファンの視線を一身に集める存在がいたのも14年前と同じだった。
メジャー組でただ1人、宮崎キャンプ初日からチームに合流したサンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手の姿が、あのときのイチローとかぶるのである。
ダルビッシュが動けば、ファンの波が動く。そしてダルビッシュの周りには自然と選手が集まってくる光景が何度もあった。
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集合写真の撮影が終わり、外野でアップの準備に入ると、山本由伸投手(オリックス)と談笑してストレッチ。そして直後のランニングでは佐々木朗希投手(ロッテ)や山田哲人内野手(ヤクルト)らとコミュニケーションをとりながらダッシュを繰り返した。
ダルビッシュの遠投に見入る湯浅「エグいっす!」
「エグい、エグい!」
興奮を隠せなかったのは湯浅京己投手(阪神)だ。
本球場でのアップが終わり、1人、別メニューでウエートトレーニングを行っていたダルビッシュが、投手陣がいるサブグラウンドに戻ってきたのは午前11時過ぎだった。
チームスタッフで日本ハム時代の同僚だった鶴岡慎也さんを相手にキャッチボールから遠投を行う姿に湯浅は見入った。
「エグいっす! 体がデカい! やっぱり1球、1球、ボールが強い。変化球も。いろんな変化球を投げていて、(直接、アドバイスを)聞ければ色々と聞きたいな、と思いました」
まさに14年前に亀井コーチがイチローさんに感じた本物のキャッチボールの凄さを、今度は湯浅がダルビッシュに感じていたのである。
そして遠投を終えたダルビッシュが動いた。