「人と人との距離が近い。この短期間で普通はまとまりにくいけど、それができると思うのでチーム一丸となった野球が見せられると思います」

　日本代表の印象を聞かれたダルビッシュはこう語る。チーム最年長の36歳。その中でリーダーとして年下の若い選手たちをどうまとめていくのかも気になるところだ。

©︎Hideki Sugiyama

ダルビッシュ「キャリアというのは関係なくて…」

　しかしダルビッシュはこう首を振る。

「キャリアというのは正直、あまり関係なくて自分たちはお金をいただいて野球をしていますし、プロであるのでずっと成長するという姿勢は崩してはいけないので。特に自分はアメリカ生活長いですから、年功序列とかは全く考えていないので」

　その発言で思い出したのが14年前のイチローさんの言葉である。

　2009年の代表チームではイチローさんにはチームリーダー待望論があった。しかしそんなムードを拒絶するように、イチローさんがこう語っていたのが強く印象に残っている。

「このチームにリーダーは必要ないと思います。一流選手の集まりであるこういうチームは、あえてリーダーを作る必要はない。その場面、場面で必要になればそれぞれがリーダーになれる選手の集まりですから」

　今回のキャンプの日本代表にもキャプテンはいない。それでも投手と野手というポジションを超越してこのチームには、そこにいるだけで支柱となり得る選手がいる。

　日本代表の中で、ダルビッシュとはそういう存在なのである。

栗山監督と会話をかわすダルビッシュ　©Hideki Sugiyama

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