- #1
- #2
侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
「スミちゃん(隅田知一郎)に申し訳ない気持ちが…」WBC“3戦目から出番がなかった”坂本誠志郎の献身「目を充血させて他国を研究」取材者が見たウラ側
posted2026/03/18 17:01
宮崎キャンプでの坂本誠志郎。ピッチクロック、ピッチコムへの対応と並行して、ライバル国の選手データを頭に叩き込んでいた
text by

佐井陽介Yosuke Sai
photograph by
Hideki Sugiyama
石井大智の負傷辞退「一緒に勝負したかった」
坂本誠志郎が背負うと決めた思いは、WBCメンバーから落選した岸田行倫のそれだけにとどまらなかった。
2月、3人のリリーバーが負傷辞退を余儀なくされた。西武の平良海馬に阪神の石井大智、パドレスの松井裕樹。中でも石井は阪神キャンプからピッチコム、ピッチクロックの準備期間を共有した相棒だった。
「どういう風に抑えるか、どういう風にやっていこうかっていうイメージは、大智で描いている部分が多かった。それを出せないのは……。本人は悔しいのが一番かもしれないけど、僕は寂しい。やっぱり一緒に勝負したかった」
ADVERTISEMENT
もちろん、WBCの舞台に立てないメンバーは負傷者だけではない。
人一倍責任感の強い男は、昨秋の宮崎合宿、強化試合の韓国2連戦で同じ空気を吸った仲間の胸中にも心のアンテナを張り巡らせていた。
「宮崎合宿地の球場に戻ると、ここでソフトバンクの野村勇くんがサードでノックを受けていたなとか、楽天の村林一輝くんに目薬を貸してもらったなとか、そういった記憶が少なからず蘇ってくるものなので」
2026年WBCの侍ジャパンメンバーは計30人しかいない。出場を熱望しながら涙をのんだ選手たちの無念を、選出された男たちは皆、背負っていた。
だからこそ、坂本は昨秋から大会閉幕までの約4カ月間、寸暇を惜しんで準備と研究に時間を割き続けた。
そして、本番ではベンチスタートが続いても、共にリベンジを成し遂げたかった左腕とコンビを組めなくても、懸命に声をからし続けたのである。

