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DeNA相川亮二バッテリーコーチに聞いた、“嶺井のFA移籍”の影響は?「そもそもキャッチャーの層は厚い」「松尾はセンスの塊。とはいえ…」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2023/01/09 11:04
三浦監督の隣で戦況を見つめる相川亮二コーチ。今季からチーフ作戦コーチも兼任するチームの“司令塔”に話を聞いた
「競ったら勝てる」というイメージ
どのようにして相手チームに勝つのか。シンプルにして最大の目標。シーズン前、三浦監督と相川コーチが話し合いバッテリーに求めたのは、いかに競った試合で粘り、最後に勝ちを取ることができるかであった。
「大事なのはバッテリー間で同じプラン、考えを持って戦っていくこと。まずは競った試合をやっていき『最後は取るぞ!』ということをシーズン通して、話してきました」
結果、昨季は2点差以内の試合は41勝33敗だった。一昨年の26勝32敗という成績を考えれば躍進のひとつの要因になったといっても過言ではない。とくに相川コーチが手応えを感じたのは、横浜スタジアム17連勝を含む夏場の1カ月間だった。
「負けていても逆転できる。つまり競ったら勝てる、というイメージを持ってチーム全体で野球ができていましたね。バッテリーは意思を通わせ失点を防ぎ、バッターは1点を取ることに集中することを体現できた時期だったと思います。そこをもう一度振り返って見直していけたらと」
相川コーチの口調からは、またあの戦い方ができれば今シーズンはいける、というニュアンスが感じられた。
キャッチャー全員に告げたこと
また昨季、キャッチャー全員に言っていたのは、予定調和の配球やアウトの取り方ばかりではなく「型にハマることなく自分の個性を伸ばしていけ」ということだった。
「基本的にはアナリストのデータなどを参考に試合のプランを立てていくのですが、ピッチャーの調子などプラン通りにいかないときもあります。そういうとき僕はバッテリーと話し合いプラン変更をするのですが、とにかくゲームに入ってしまえばキャッチャーは自分で考えることが大事ですし、最後に決断するのは選手たち。僕は手助けをしただけで、去年はバッテリーの努力が非常に見られたと思いますね」