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日本ハムの4番・野村佑希(22歳)が誓う“流れを変えるための背番号5”「打球の伸び方は清宮さんや万波と勝負できない。最多安打、打点王が目標」
posted2023/01/09 06:00
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph by
Naoya Sanuki
プロ5年目、野村佑希は背番号5をつける。目指すは4番サードでのフル出場。そのために彼がまず乗り越えなければならないのはケガとの戦いだ。左股関節亜脱臼、右手小指骨折、左ヒザ打撲、左足首捻挫、鼻骨骨折、左脇腹肉離れ……レギュラーの座をつかみかけながら、野村はケガに泣かされ続けてきた。
「僕の場合、骨が折れたとかアクシデントのケガがほとんどだったので、どう対処すればいいのかをずっと考えてきました。技術不足と言われればそれまでですが、高校まではケガをした記憶すらないんです。何しろ小1以来の骨折がプロに入って5回ですからね。一つ思い当たるとしたら、調子のいいときにケガをしてしまうイメージがあります。野球のことがうまく行っていて技術のことで頭がいっぱいになったとき、思わぬ方向のケガをしてしまうんです。だから、いいときこそ頭の片隅にケガのリスクを置いてプレーする。まずフルシーズンを戦うことができれば壁を越えられるでしょうし、流れを変えるための背番号5でもあると思っています」
ポテンシャルとスター性は、日ハムの未来予想図から外せない
高いポテンシャルと身に纏うスター性はファイターズの未来予想図から外すことはできない。昨シーズンは93試合に出場、チーム最多の52試合で4番を務めたものの、打率.279、ホームラン6本という数字に野村が満足できるはずもない。
「打球を上げて長打を増やす……つまりホームランを打つためのメジャーリーガーに近い捻転の動きとか、そういう身体の使い方を勉強してきたんですけど、うまくいきませんでした。打球を上げようとして上げるのではなく、上げようとしないほうが打球にいい角度がつくことに気づいたんです。そのためには軸足でしっかり立つ感覚を大事にする。地面を踏みしめながら、地面からの反発を感じて自分の形でスイングできれば、結果はついてくると思いました」
ホームランを狙うのではなく、持ち味の積極性を活かせさえすれば自然とホームランは増える、と考える。
「打球の飛び出しや伸び方は清宮(幸太郎)さんや万波(中正)と勝負できないし、一番にはなれないと感じています。初球のスイング率が高いことを活かすために、打って増やせる最多安打、あとは打点王を目標にしていきたいですね」