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DeNA相川亮二バッテリーコーチに聞いた、“嶺井のFA移籍”の影響は?「そもそもキャッチャーの層は厚い」「松尾はセンスの塊。とはいえ…」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2023/01/09 11:04
三浦監督の隣で戦況を見つめる相川亮二コーチ。今季からチーフ作戦コーチも兼任するチームの“司令塔”に話を聞いた
プランを与え、その前提が変わったときにいかに臨機応変に相手と対峙できるか。当たり前の話だが、やはりこのあたりは指導陣と連携ができていないと上手くは行かない。昨季はバッテリー間の大きなテーマとして“ストライク先行”というものがあったが、相川コーチは一定の成果があったと見ている。
「とくに先発は球数のことやあらゆる面を考慮するとストライクを先行させなければいけない。2ストライクに追い込むまでの被打率というのは高いわけですし、ストライクゾーンでいかにカウントを進めて追い込んでいけるか。今の野球はそこが大事だと思うので、初球の入りや追い込むまでの過程、そしていかにして一球で仕留めるかを明確にしてやって来た部分はあります。その点において昨年はいい部分も見られました。しかし今年、同じように行くとは限らないので、引きつづきバッテリーとはコミュニケーションをとっていきたいと思います」
ピッチャーに意識するように伝えた「ある変化球」
昨季のDeNAのバッテリーを見ていて感じたのは、カーブを投げられる投手はカーブを積極的に使っていたこと。そして両サイドを意識しつつも高めの配球を効果的に差し込んでいたことだ。
「そうですね。特にカーブはピッチャーに意識するように伝えました。奥行きや緩急、他のいいボールを活かすという意味からもしっかり投げてもらいました。高めもそう。低めが基本とはいえ、高めはファウル、フライ、空振りのゾーンになりますからね。本当、バッテリーは勇気を持ってやってくれたと思いますよ。カーブのような遅いボールを投げるのはリスクをともないますし、またゾーンぎりぎりに外れる高めは、甘くなれば長打ゾーンでもありますし、反応がなければカウントを悪くする恐れもある。そこはもうキャッチャーというか、ピッチャーが頑張って投げてくれました」