欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「やっぱりトミは1対1が強い」ついに実現、三笘薫vs冨安健洋…その試合後、三笘が現地記者を笑顔にさせた話「あそこで諦める人いない(笑)」
posted2023/01/04 17:03
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
Getty Images
◆◆◆
白熱のマッチアップだった。
12月31日に行われたブライトン対アーセナル戦で、三笘薫と冨安健洋の日本人対決が実現した。
冨安が途中交代で出場した60分から両者はピッチに立ち、「右SBの冨安」と「左MFの三笘」が同じサイドで激突した。日本代表の「攻守の要」が、世界最高峰のプレミアリーグで相まみえたのである。
見せ場は、冨安投入からわずか4分後に訪れた。
アーセナルのCBが最終ラインでボールを持つと、三笘は冨安の位置を確認。日本代表DFにパスが出たタイミングで、三笘は猛然とプレスをかけてボールを奪い切った。
このボール奪取を起点に、ブライトンは攻撃のスイッチを入れた。中盤を経由し、最後にパスを受けた三笘がボールをゴール右に流し込んだ。ブライトンは1点を返して1−3とし、三笘も「まだ試合は終わっていない」と言わんばかりに両腕を上下に振って、ホームサポーターを激しく煽った。
だが冨安も負けていない。ブライトンは三笘の「個の力」を活かそうと縦パスを入れ続けたが、冨安は体をうまく入れて何度もブロック。70分にはロングパスに反応した三笘がうまく走り出したものの、追いかける冨安が体を入れ直して突破を許さなかった。
その6分後には、ブライトンのクロスに備える三笘の体を、冨安が右手で強く押して侵入をブロック。2人は最後までバチバチのマッチアップを繰り広げた。
そして試合が4−2でアーセナルの勝利で終わると、両者は互いの健闘を称え合い、笑顔でユニホームを交換していた。その後、首位の座をキープしたアーセナルの冨安はゴール裏のファンへ挨拶に向かい、敗れた三笘もホームサポーターの声援に拍手で応えたのだった。
「トミはやっぱり体が強い」
試合後の取材エリアで、三笘がまず口にしたのは敗戦の悔しさだった。
「前半の立ち上がりは、もっとしっかりと入らないといけなかった。そこで試合が分かれたと感じています。もったいなかった。圧力をかけられ、自分たちは後ろのビルドアップがなかなかうまくいかなかった。その分、自分たちが引いてしまった。(筆者:アーセナルはどうでしたか?) 1人1人のクオリティがやっぱり高い。 パスが足元にパーンと入るので、そこの差は感じました」
質疑応答は、公式戦3点目となる三笘のゴールシーンに及んだ。