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「やっぱりトミは1対1が強い」ついに実現、三笘薫vs冨安健洋…その試合後、三笘が現地記者を笑顔にさせた話「あそこで諦める人いない(笑)」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2023/01/04 17:03
首位アーセナル戦、三笘薫のゴールシーン。相手MFブカヨ・サカと競り合いながら、冷静にゴール右へ流し込む
昨夏のシーズン序盤戦では、加入して間もないこともあり、日本代表アタッカーが良い位置にいてもパスが入らないシーンが散見された。しかし9月に就任したロベルト・デゼルビ監督が三笘を先発で使い始めると、こうした状況は徐々に改善。前節サウサンプトン戦後に「W杯後のチームで感触は良いものがある。信頼は少し増えたと感じる」と話していたように、三笘がW杯で活躍した後は、日本代表MFにパスを集める回数が格段に増えた。今回のアーセナル戦も、チームとして三笘の突破力を活かそうとするプレーが随所に確認できた。
カタールW杯後は2試合連続で好パフォーマンスを見せているだけに、今後三笘への期待はますます高まりそうだ。
“三笘の1mm”への本音で記者も笑顔に
大晦日の31日に行われたアーセナル戦で、2022年の全日程が終了した。三笘にとってこの2022年は、まさに激動の年だった。5月までレンタル先のベルギー1部ユニオン・サン=ジロワーズで活躍し、7月から所有権のあるブライトンに復帰。自身が「夢だった」と語るプレミアリーグに上陸し、11月にはキャリア初のW杯を経験した。喜びも悔しさも感じたこの1年を、三笘は静かに振り返った。
「間違いなく大きな1年でした。成長できましたけど、やるべきことが多くなったというのと、まだ上に行かないといけないとも感じている。 怪我をしないことで成長できると思いますし、アーセナルのような強い相手にどれだけできるかっていうところは、プレミアならではの楽しみがある。そういう時に自分の価値を出せるようにしたい。また、しっかりと下位のところに勝っていかないといけないと思っています」
特に4年に一度の祭典、W杯での活躍は目覚ましかった。そのW杯について、筆者はどうしても聞きたいことがあった。
フジテレビの情報番組「めざましテレビ」に出演した長友佑都が、カタールW杯を戦った日本代表の象徴的なシーンとして「三笘の1mm」を挙げていた。三笘の信じる心、日本代表の諦めない気持ちがあの場面に出ていたと話していたが、経験豊富な長友の言葉を三笘本人にぶつけてみた。「長友選手の言葉をどう受け止めるか?」と──。照れ屋な三笘らしく、柔和な笑みを浮かべて次のように答えた。