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「日本代表は本当にやりづらい」オランダ代表(トッテナムCB)なぜW杯同組日本を“難敵”評価するのか…「シンジ・オノが忘れられない」オランダ人記者も危機感
posted2025/12/11 18:40
写真はトッテナムMFシャビ・シモンズ。筆者はW杯の組み合わせ抽選会のあと、オランダ代表の選手たちに話を聞いた
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田嶋コウスケKosuke Tajima
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Getty Images
「日本は本当に難しい相手だ。オランダの誰もが、日本の強さを知っている」
そう語ったのは、トッテナム所属のオランダ代表DFミッキー・ファンデフェンである。
W杯北中米大会の組み合わせ抽選会が行われた翌日──プレミアリーグの対ブレントフォード戦で、トッテナムは2−0で勝利した。試合では、オランダ代表MFシャビ・シモンズが1ゴール、1アシストの大活躍。守っても、CBのファンデフェンを中心に相手の攻撃を完璧に封じた。
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英BBC放送は、シモンズをMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選出して「8.77」点の高評価を与えると、ファンデフェンも両軍通じて3位の「7.96」点をつけた。オランダ代表コンビが、ホームでの勝利に大きく貢献した格好だ。
日本代表が絶賛「何でもできるオランダCB」
ファンデフェンは成長著しい24歳の若手CBで、強さと速さ、足技、高さのすべてを揃えるモダンディフェンダーである。間違いなく、これからのオランダ代表を支えていく存在だ。
本職はCBながら、オランダ代表では万能性を生かして左SBを務めている。日本代表DF町田浩樹が「現代サッカーのお手本のような選手。サイズとスピード、技術もあって、本当に何でもできる。すごいなと思う」と話していたように、現役選手も一目置くプレーヤーだ。
実際、ブレントフォード戦でも好プレーを連発した。相手FWに縦パスが入っても、俊敏性とスピードを生かして敵の前にスッと入り、ボールを鮮やかに刈り取った。ビルドアップでも驚異的な速さの縦パスをバシバシ供給し、自らもドリブルで攻撃に参加して前線に厚みを加えた。自軍のセットプレーになればゴール前に行き、持ち味の高さと強さを発揮。町田の言う「本当に何でもできる」プレーを見せつけた。
W杯の日本戦で、ファンデフェンがこれまで通りに左SBとして出場することになれば、右WBの堂安律や攻撃的MF久保建英らと対峙することになる。24歳DFは、日本代表の前に大きく立ちはだかる存在となるのは間違いない。
「日本は非常にやりづらい」
試合後、選手をミックスゾーンで待っていると、そのファンデフェンが現れた。イギリス人記者の質問が一通り終わった後、こう聞いてみた。「昨夜行われたW杯の組み合わせ抽選について聞かせてください。私は日本の記者で、オランダと同組になりました。日本代表についてどんな印象をお持ちですか」と。

