アメリカに渡るときに「イチローくん大リーグは甘くないぞ、あと1年、日本にいればスーパースターだったのに後悔しないことを祈る」と言った人もいましたが、果たせるかなイチローは打って走って守って大活躍。大リーグ通に言わせると、ベーブ・ルース以前の野球の楽しさ面白さを教えてくれた。こうして大リーグの歴史に名を刻むということになったわけであります。

2021年の大谷とイチロー　©Getty Images

W杯の熱狂の後、WBCで大谷やダルが帰ってくる

　そして、大谷翔平という“爽やか二刀流”が登場した。大谷翔平は野球が楽しくてしょうがない野球少年という表情でアメリカにやってくるんですね。チームメートの評判も非常によろしい。2023年からは吉田正尚、千賀滉大が加わります。

　サッカーのワールドカップの熱狂が去りますと、次の楽しみはWBCです。大谷もダルビッシュ有も帰ってきます。

　まさに大谷翔平というのは、野球が日本にもたらされてから150年、野球の神様が我々にくれたプレゼントではなかろうかと思います。

　ということで私の話を終わります。どうもご清聴ありがとうございます。

©Nanae Suzuki

　30分と指定されたが、池井氏は30分3秒で講演を終えた。まさに名人芸だった。

　12月には新著「学問と野球に魅せられた人生：88歳になっても楽しく生きる」（芙蓉書房出版）が刊行された。池井名誉教授が学者、教育者としての半生を振り返ったものだが、野球に関する愉快なエピソードもちりばめられている。

※野球文化學會提供

　1978年、日本でMLB中継が始まったころ、筆者らは池井優氏などの解説に夢中になったものだ。池井氏の話を聞くと、純粋だった野球少年時代の思い出が蘇ってくる。

　時間のある年始の時期、この本も是非一読されたし。