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小学生の板倉滉は「泣き虫」、罰走を命じられた中学2年・堂安律の“意外な返答”、冨安健洋16歳を見た井原正巳の第一印象とは
posted2022/12/20 17:07
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Takuya Kaneko/JMPA
<名言1>
冨安は真面目で、本当に練習の虫なんですよ。
(井原正巳/NumberWeb 2021年3月25日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/847488
◇解説◇
冨安健洋はカタールW杯、日本代表の躍進において重要なパーツとなった。慢性化していたコンディション面の不安もあって、スターティングメンバーに名を連ねたのは決勝トーナメント1回戦クロアチア戦1試合にとどまった。
それでも初戦ドイツ戦では後半開始から3バックに変更したチームにあって左センターバックに入ると前半の悪い流れを断ち切り、逆転勝利の陰の立役者になった。
そしてスペイン戦では2-1の1点リードの状況にあって、右ウイングバックとして投入される。その直前にスペインのルイス・エンリケ監督がピッチに送り込んだジョルディ・アルバ、アンス・ファティの攻撃力にストップをかける役割を果たし、決勝トーナメント進出に大きく貢献。プレミアリーグの名門アーセナルの主力の一員である実力をしっかりと発揮したのだ。
「猫背を直したほうがいいぞ」と
センターバックにサイドバック、ウイングバック、そして森保ジャパン結成当初にはボランチをこなしたこともあるなど、冨安の後方ポジションでの万能性は従来の日本人DF像を覆すほどのスケールを感じる。そんな彼をアビスパ福岡時代に育んだ1人が、当時同クラブで監督を務めていた井原だ。
井原はオフトジャパン時代に柱谷哲二とともにセンターバックコンビを務め、インテリジェンスあふれるディフェンスで「アジアの壁」と称された。そんな彼が冨安を初めて見た時、こんな風に思ったという。
「第一印象は……ちょっと猫背だなと(笑)。今でも前屈みになる傾向があるので、『猫背を直したほうがいいぞ』と話しています」
このコメントは少し冗談めかした部分もあるのだろう。「アンダーの代表に入っていて、将来性のある選手がいるというので見てみたら、すごく良かった。それでトップチームに参加させようということになったんです」と、守備者としての才能があふれていたことを回想している。それとともに井原が評価したのは、日々のトレーニングでの振る舞いだ。