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「あれは“私たち”のシステムだ」元広島・ミキッチが語る森保監督の手腕とは? 露骨な“手のひら返し”に「すべてが白か黒じゃない!」

posted2022/12/01 11:04

 
「あれは“私たち”のシステムだ」元広島・ミキッチが語る森保監督の手腕とは? 露骨な“手のひら返し”に「すべてが白か黒じゃない!」<Number Web> photograph by Masashi Hara/Getty Images

森保一監督と握手をかわす現役時代のミハエル・ミキッチ(2017年)。サンフレッチェ広島で共に3度のJリーグ制覇を成し遂げた“盟友”だ

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長束恭行

長束恭行Yasuyuki Nagatsuka

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Masashi Hara/Getty Images

2009年から2017年までサンフレッチェ広島でプレーし、“ミカ”の愛称で親しまれたミハエル・ミキッチ氏。抜群の運動量で右サイドを制圧したクロアチアのスピードスターは、元チームメイト・浅野拓磨のカタールW杯での活躍や、かつての指揮官・森保一監督の采配をどう見たのか。ジャーナリストの長束恭行氏が、コスタリカ戦後にインタビューを行った。(全2回の1回目/後編へ)

「あれは“私たち”のシステムだ」

――カタールW杯の日本代表の試合を見ていますか?

 コスタリカ戦の時間帯はマリボルのトレーニングと重なったので少ししか見られなかったけど、ドイツ戦はしっかりと見させてもらったよ。ずばりと言おう。ドイツ戦の前半は相手の方がはるかに上回り、ハーフタイムの時点で3-0でリードされているのが現実的だった。しかし、チームが1失点で凌いだことも、GKが可能な限りセービングしたことも同じく「実力」だ。それから森保一監督は3-4-2-1システムに切り替え、その試合で大役を果たすほどのフィジカルを持っていない選手を交代させたんだ。

――ドイツを逆転した後半はいわゆる「ミシャ式」を導入したわけですよね?

 あれは森保が広島の監督だった頃の“私たち”のシステムだ。彼はあのシステムをよく理解しているし、あのシステムに適応するプレーヤーの選び方もよく知っている。だからドイツ戦であのシステムを再びぶつけることができた。戦術を改め、快足プレーヤーを正しい時間に投入した監督こそ、あの逆転劇における最大の貢献者だと素直に感じているよ。彼は試合の鍵を握る変更をもたらしたんだ。

――広島時代のシステムに変更したことにすぐ気づきましたか?

 もちろん! システム面の類似点はたくさんあるが、日本代表の方が大きなクオリティを備えている。当時の広島も非常にクオリティの高いチームだったとはいえ、日本代表には長年ヨーロッパでプレーしている経験豊富なプレーヤーが揃っているからね。ところが、あれほどの経験を持ちながらもコスタリカに敗れてしまったことが私には残念だ。本来ならば、あの試合は「ケーキの上のホイップクリーム」(“さらなる喜び”の意)となるべきだった。

――そうですよね。

 プレーヤーのクオリティの高さを考えれば、やっぱり第2戦のコスタリカには勝つべきだった。しかし、あの試合はスタメンで多くのプレーヤーを入れ替えてしまっていた。

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