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「バンザーイ、我々はまだ生きている!」ドイツ紙は“日本の敗戦”をどう伝えた? 「ヨシダは悲劇の主人公になってしまった」という嘆きも
posted2022/11/29 17:01
text by
円賀貴子Takako Maruga
photograph by
Takako Maruga
11月27日、カタールW杯グループEの第2節。
昼食時、ドーハから車で約1時間離れたチーム拠点で日本vsコスタリカ戦を見届けたドイツ代表選手たちは、その9時間後、スペインと1-1で引き分けていた。“まさか”の日本のとりこぼしと、スペインから奪った勝ち点1が、絶望的にしか見えなかった決勝トーナメント進出チームを決める最後の2試合をドラマチックにする。この状況についてドイツメディアはどのように伝えているのか。
「大惨事」「ドイツに援護射撃」
日本がコスタリカに敗れた直後、ネットにはこのような見出しが並んだ。
《大惨事――日本はコスタリカ相手に逃したマッチボールを悲しむ》(ドイツ公共第1放送ARDの人気スポーツ番組『シュポルトシャウ』
《DFBチームに援護射撃 コスタリカが日本を破る》(ドイツ公共第1放送のニュース番組『ターゲスシャウ』)※DFB=ドイツサッカー連盟
《ドイツが自分たちで決めなかった最重要得点》(週刊紙『ツァイト』)
日本がコスタリカに敗れたことが、ドイツを勇気づけたことに間違いはない。絶望的だったグループリーグ突破が、自分たちが何もしない間に、急に手で掴めるところまでやってきたのだから。
そして27日の夜。大衆紙『ビルト』は、スペイン代表FWアルバロ・モラタに先制を許した瞬間にウェブサイトで「オー、ナイン!(オー、ノー!)」と嘆いたが、しかしその後に状況は激変。試合終了直後には海外メディアの声を拾いながら《フュルクルク、すきっ歯のキラー》を見出しに、1-1の同点弾を決めたFWニクラス・フュルクルクへの称賛記事を掲載している。