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「バンザーイ、我々はまだ生きている!」ドイツ紙は“日本の敗戦”をどう伝えた? 「ヨシダは悲劇の主人公になってしまった」という嘆きも
text by
円賀貴子Takako Maruga
photograph byTakako Maruga
posted2022/11/29 17:01
スペイン戦翌日、ドイツの大衆紙『ビルト』には決勝トーナメント進出に望みを繋がったことを喜ぶ見出しが躍っていた――“我々はまだ生きている!”
続けて、分析は以下の通り。
「1試合がすべてを変えた。輝かしいくらいだった突破条件が、グループリーグ最後のスペイン戦を前に急に難しくなった。そして雰囲気も。森保監督のフォーメーションは、自分たちが優位な役回りになったことで抑制されたように感じられたし、鎌田ら攻撃陣全員が何もできないままだった。“水曜日の英雄”浅野は最初ベンチ。そして『失点するまではプラン通りだった』という森保監督の言葉は、間接的に言うと、そのプランがあまり勇気のあるものではなかったことを意味する」
そして「後半に3バックに変えて浅野を入れても、部分的にしか弾みはつかなかった。森保監督は選手たちを木曜日までに再び立ち上がれるようにできるか?」と問いかけ、「勝ち点1を確保できなかったのは、まず吉田の不正確なパスを守田のところで奪われ、権田がフレールのシュートを阻めなかったから。ドイツ戦でMVPに選ばれていた権田もこの日曜日、名声がどれだけ儚いものかを認識することになった」と締めくくっている。
シュツットガルト、シャルケの地元紙は
ブンデスリーガの各チームをカバーする地元紙も、それぞれそのチームに所属する日本人選手のW杯での活躍に注目し、カタールから日々奮闘する様子をレポートしていた。
ただ、28日のシュツットガルト地元紙『シュツットガルターツァイトゥング』は、コスタリカ戦でW杯デビューを飾った伊藤洋輝が失点に絡んだことを報じた。「木曜日のスペイン戦にプレッシャーがかかっている。それは後半に途中交代で入った伊藤が、決定的なシーンで運悪く見えたからでもある。ケイセル・フレールの得点の前にオフサイドを外した」と指摘した。
ドイツ西部のチーム情報に詳しいWAZ(ヴェストドイチェ・アルゲマイネ新聞)の見出しは「シャルケのスターに苦い瞬間。この判断ミスは本当に高くつくかもしれない」。シャルケで唯一W杯に出場している吉田麻也にとって「初戦はこれ以上ないくらい上手くいったが、2試合目で悲劇の主人公になってしまった」「コスタリカ戦での決定的な失点は、遅い時間帯に、不運な吉田のミスによって入った」と伝えている。
混沌とする状況の中、どのメディアでも「この場合にはドイツの突破が可能になる」と説明する記事が掲載されている。また、スペイン代表のルイス・エンリケ監督が「引き分けでも足りるが、私たちの目標は日本に勝つことだ」と発言したことに期待を寄せている。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。