サウジアラビアが優勝候補アルゼンチンを破り、日本が爽やかに巨星ドイツを撃ち落とした。中東で初開催される今大会は、変則的な開催時期も相まって今後も番狂わせが起こる可能性がある。

　マッチレポートの中で、『レプッブリカ』紙は暗示した。

「世界は今、まさに変わりつつある。安泰といえる国はどこにもない」

私が言った通りだろう。トミヤスは世界を驚かせると

　今年の春、日本は絶対にドイツに勝てないと断言していたカルチョ界の名フロントがいた。サレルニターナの元SDサバティーニだ。

　ボローニャのフロントを取り仕切っていた時期にとりわけ冨安に目をかけ、昨年夏にアーセナルに出世させた傑物に電話したら、上機嫌の声が返ってきた。

「私が言った通りだろう。トミヤスは世界を驚かせると。トミは頭（＝インテリジェンス）と脚（＝スピードとスタミナ）で勝った。本当に見事だったよ」

冨安のプレーにイタリア人も鼻高々？　©Takuya Sugiyama/JMPA

　スマホの向こうのドヤ顔が目に浮かぶ。日本がW杯で勝てないって言いましたよねと返すと、彼は豪快に笑って誤魔化しながら続けた。

「浅野も堂安も当然チェックしていた。活躍した彼らだけじゃないな、やはり日本にはいい選手が目白押しだ。今は持病療養中だが、現場復帰したら絶対に日本人選手をリストアップする。（知己のASローマ監督）モウリーニョにも『日本人を獲れ』と進言したばかりだ。今大会はこの後も面白くなるぞ！」

＜ブラジル編につづく＞

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