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ブラジルで“日本のW杯第2戦”が超酷評「ヒドい内容は放送してる僕らの責任じゃない」「日曜朝から眠くなる」忖度ゼロな背景
posted2022/11/30 06:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
日本が、またしてもブラジルメディアの予想を裏切った。
11月23日のドイツ戦を前に、ブラジルのTV局SporTVの解説者5人全員がドイツの勝利を予想したが、見事な逆転勝ちで手の平を返させた。
ところが、スペインに0-7と大敗して「参加32カ国中最弱」(同TVの解説者の1人)と評されたコスタリカとの対戦(27日)で、今度は解説者全員が日本の勝利(「2対0」が4人、「2対1」が1人)を予想したのだが、これも裏切ってしまったのである。
ドイツ戦と同じく、試合内容を振り返りながら現地での報道を紹介しよう。
「全くひどい試合。お粗末極まりない攻防だ」
この試合のTVグローボの中継を担当したのは、日本対ドイツ戦と同じレナート・シウヴェイラ(ブラジル唯一のスポーツアナウンサー)で、解説を担当したのは元ブラジル代表MFのリシャルリソンと元女子ブラジル代表MFのフォルミーガだった。
リシャルリソンは、高度なテクニックと優れた状況判断を発揮して攻守に活躍したボランチだった。バイセクシュアルであることをカミングアウトした唯一のセレソンOBとしても知られる。
前半、コスタリカが深い位置で守備ブロックを敷く。「ゴール前にバスを置く」と表現される古典的な守備戦術だ。日本はバスの周辺でボールを回すが、いつまでたってもバスの中へ入ろうとしない。
前半30分過ぎ、リシャルリソンがしびれを切らした。
「全くひどい試合だ。コスタリカはひたすら引いて守るだけ。これに対して日本はボールを握ってはいるが、やっていることといったら、パスをゆっくり回してコスタリカの守備網の外側を徘徊しているだけ。いずれも、インスピレーションの欠片もない。お粗末極まりない攻防だ」
試合開始は、ブラジルでは27日の朝7時。レナータが「日曜の早朝だというのに、多くの人に視聴していただいています」と話すと、リシャルリソンは「でも、試合内容がひどいのは僕たちの責任じゃないからね」と釈明した。
「日曜の朝、日本に期待して早起きして見ていたが」
そのままほとんど何事も起こらずに前半が終了。レナータは「実に退屈な45分間でした」と切り捨てた。
リシャルリソンが危惧したように、インターネット上では「日曜の朝、日本に期待して早起きして見ていたが、本当にひどい試合。また寝直すよ」、「カタール政府に、こんなひどい試合をしている両国に厳罰を与えてもらいたい」といった怒りの声が溢れた。